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浜松3人殺害事件の被告人、山田悠太郎の胸くそな生い立ち

浜松3人殺害事件の被告人、山田悠太郎の胸くそな生い立ち

ビリー・ミリガンで有名な多重人格、現在は解離性同一症と呼ばれる状態は、医学的に認められた精神障害。症状には人格の交代や記憶の空白などが含まれ、詳細な精神医学的面接と専門の質問票を用いて診断されます。

ただし、かつて映画にもなった「シビル」の症例が捏造であったりと、まだまだ研究の途中らしい。

2022年に静岡県浜松市で起きた、元警察官の被告人山田悠太郎が祖父母と兄の3人を殺害したとして逮捕された事件。

静岡地裁浜松支部は2025年1月15日、悠太郎に懲役30年の判決を言い渡しました。この事件は被告が「別人格による犯行」と主張したことで、多重人格障害の可能性が取り沙汰されました。

今回は、この事件の背景にある悠太郎被告の生い立ちや、多重人格の真相について調べてみます。

山田悠太郎の家庭環境

家庭内の地獄:父親からの暴力

母親についての記述は見つかりませんでしたが、父親には小学1年生の時から中学を卒業する頃まで暴力を振るわれていました。暴行は悠太郎だけではなく母にも行われており、その様子を目の前で何度も見せられていました。

力では圧倒的にかなわない相手からの、一方的な暴力です。そりゃ感覚は、ねじ曲がります。

兄からの性的虐待と日常的な暴力

証言から想定するには、山田悠太郎は3人兄弟。

悠太郎は双子の1人で、その上に兄が1人いたが、長兄からは中学生の頃まで腹を殴られたり太ももを膝で蹴られたり。さらには思い切り投げた野球ボールをぶつけられたりと、常に怯えていました。

加えて、夜に長兄と3人で風呂に入った際には1日の反省会という拷問が開かれ、長兄から合格をもらえないと尿をかけられたり飲まされたりもし、夜には悠太郎だけが長兄の部屋に呼ばれ性暴力も受けていました

もちろん兄も父親などから虐待を受けてきたものと思われますが、これ1960年代の終わりごろに発生した連続射殺事件の犯人である永山則夫のエピソードとそっくり。

祖父母との歪んだ関係

一応、祖父母は小遣いをくれたり外出に連れて行ってくれたりと、幼少期の被告をかわいがってはくれていたとのこと。

ただし祖父母は金銭トラブルなどが原因で悠太郎の両親と折り合いが悪く「金をあげるから母親に暴力を振るってほしい」「長兄も金をあげたら母親に暴力を振るってくれた」と言われていました。なので、そもそもまず、この祖父母から狂っていたようです。

学生時代の外面と内面

小学校から高校までの様子

悠太郎は、家庭内の地獄を周囲に悟られないよう、外では明るく振る舞っていました。そして高校を卒業後、静岡県警に警察官として採用されました。

多重人格障害の可能性は?

専門家の見解と裁判での主張

悠太郎は裁判で、ボウイという別人格による犯行と主張しました。

これに対して担当した精神科医は「多重人格障害、正確には解離性同一性障害は、非常にまれな病気です」とし「ストレスや虐待などの強いトラウマが原因で発症することが多いのですが、悠太郎の場合、まさにそういった背景があります」と。

ただし裁判では、悠太郎には解離性同一性障害があった可能性は否定できないとしつつも「完全な責任能力があった」と結論づけています

判決と今後

裁判所の判断と更生の可能性

静岡地裁浜松支部で来司直美裁判長は、被告人山田悠太郎に懲役30年の判決を言い渡しました。ほぼ無期レベルです。来司裁判長は「別人格による犯行で行動を制御する能力が低下していたが、犯行前後に連続性がある」として、被告の完全責任能力を認定しました。

一方で、「幼少期からの虐待が動機で、同情できる点もある」として、検察側の無期求刑に対し懲役30年を言い渡しました。来司裁判長は「適切な治療を受ければ更生する余地がある」とも述べています。この国にそんな治療ができるかは疑問ですが。

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