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ラモン・ローチ・ジュニアの戦績|WBAスーパーフェザー級王者の実力を数字で見る

登山用品レンタルショップのLaMontはラモントと読むし、メディアによってはレイモントと書くとこもあるようですけど。

リング上の紹介アナウンスは「ラモン」と聞こえるしWikipediaもラモンだし、スーパーライトとウェルターでチャンプだったLamont Petersonもラモン・ピーターソンなので、やはりカタカナ表記は「ラモン・ローチ」で広めるべきですね。

井上尚弥選手への挑発発言で注目を集めたことで、おまえらも彼の戦績が気になったんじゃないですか。そこでローチ選手のプロ・アマ戦歴からファイトスタイルなど、数字を交えながらまとめてみました。

ラモン・ローチ・ジュニアの戦績

プロ戦績の全体像

プロ通算戦績は28戦25勝(10KO)1敗2分。圧倒的ってほどではないですが、安定感のある数字です。なお唯一の黒星は、2019年に行なったジャメル・ヘリング選手とのWBO世界スーパーフェザー級タイトルマッチでの判定負け。

しかし、この敗戦後にローチは着実に実力を伸ばし、2023年11月にはエクトル・ルイス・ガルシア選手を判定で退けWBA世界スーパーフェザー級王者となりました。

  • 唯一の敗戦:2019年 ジャメル・ヘリング戦(判定負け)
  • 世界王座獲得:2023年11月 WBAスーパーフェザー級(エクトル・ルイス・ガルシア戦)
  • 初防衛成功:2024年6月(8回TKO勝利)

ローチはどんな選手?特徴やファイトスタイルなど

ファイトスタイルの特徴

「テクニカルな打撃」と「堅実なディフェンス」が最大の武器。つまり右構えのオーソドックススタイルで、ジャブを巧みに使いながら相手との距離をコントロールしていく、基本に忠実でキレイなボクシングスタイル。

KO率は36%(10KO/28戦)で、一般のノー天気なアメリカ人が喜ぶような「派手な打撃戦でとにかく相手をKOする」ってタイプではないですね。

試合運びの得意分野

基本的には、冷静な判断力で試合を組み立てます。相手の動きを読んでカウンターを狙う戦術を得意とし、2023年のWBA王座獲得戦ではエクトル・ルイス・ガルシアの強打を巧みにかわしつつ、カウンターでポイントを積み重ねました。

また2025年3月のジャーボンテイ・デイビス戦では、400発以上のジャブを駆使し、手数で優位に立つ場面も見せました。

スタミナとフィジカル面

きっちり12ラウンドを戦い切るスタミナが特徴で、試合後半でもハァハァせずに動きが鈍らない。2024年6月の防衛戦では、アイルランドのフィアガル・マクローリーを8回TKOで下し、終盤にかけて攻撃の精度を上げる持久力を見せつけました。

課題と今後の可能性

唯一の弱点はパワー不足とも言われますが、2023年以降はボディブローを強化し、攻撃のバリエーションを増やしています。2025年3月のデイビス戦では、ライト級(61.2kg)に階級を上げながらも引き分けに持ち込み、階級を超えた適応力を見せました。

リング外の性格

計量会見やインタビューでは挑発的な発言で注目を集めることもあります。まぁボクサーがよくやるパフォーマンスですが。あと、父親と共同運営する「NoXcuseボクシングジム」で、若手選手の指導にも携わっています。

デービス戦で話題に「幻のダウン」とは?

試合の概要

2025年3月1日、ニューヨークのバークレイズ・センターで行われたWBA世界ライト級タイトルマッチ。

王者のジャーボンテイ・デービス(30戦無敗)が、スーパーフェザー級王者ラモン・ローチ・ジュニア(25勝1敗1分)に挑戦され、12回戦の末に引き分けとなりました。試合の最大の焦点となったのは、第9ラウンドに起きた幻のダウンです。

第9ラウンドの不可解な瞬間

第9ラウンド中盤、デービスがリング中央で片膝をつき、自分のコーナー方向へ移動しました。この時レフェリーはデービスの行動を「ダウン」と判定せず、試合を続行。

通常、選手が膝をついた場合はダウンとみなされますが、レフェリーはデービスが「自発的に膝をついた」と判断したと見られています。さらにデービスはコーナーでセコンドにタオルで顔を拭かせましたが、この行為も反則とみなされず、減点されませんでした。

判定結果への影響

試合結果は1-0の判定引き分け(115-113デービス、114-114×2)となり、デービスが王座を防衛。でも、もし第9ラウンドの膝つきがダウンと判定されていた場合、ローチに10-8のポイントが加算され、試合結果が逆転する可能性があったわけで。

専門家の間では「ダウン判定と減点が適切に行われていれば、ローチの勝ちだったろ」との声が多く上がりました。

データから見る試合の流れ

コンピュボックス(ボクシングの試合をリアルタイムでデータ解析するシステム)の記録によると、デービスのパンチは279発中103発で命中率37%、ローチは400発中112発で命中率28%。

デービスはパワーパンチの命中率が44%で優位でしたが、ローチはジャブを中心に手数でリードする場面が目立ちました。特に後半ラウンドではローチが積極的に連打を繰り出しています。

ファンや専門家の反応

試合後、ネット上やボクシングフォーラムではレフェリーの判断が試合を左右したとの批判が相次ぎました。一部のファンは「デービスが膝をついた瞬間、ローチが2階級制覇を達成するチャンスを奪われた」と主張。

ロイ・ジョーンズ・ジュニアなどの元世界王者たちも判定の不透明さに言及、再戦を求める声が高まりました。

今後の展開

デービス陣営は「再戦に応じる意思がある」と表明しており、2025年内の再戦が検討されています。幻のダウン問題は、ボクシング界の判定基準の見直し議論を再燃させるきっかけとなりました。

ラモント・ローチ・ジュニアの経歴

基本プロフィール

ラモン・ローチ・ジュニアは、1995年8月18日、ワシントンD.C.生まれ。身長170cm、リーチ173cmのスーパーフェザー級選手で「ザ・リーパー(死神)」と呼ばれています。現在はWBA世界スーパーフェザー級王者。

ちなみにアメリカ人男性の平均身長は175.3cm。いろんな人種が混ざっている国なので意外に小さかったりします。日本にいると球技スポーツの選手や俳優など、デカい人ばかり目に入りがちですが。

アマチュア時代の活躍

ローチは9歳でボクシングを始め、アマチュア時代の2013年に全米ゴールデングローブのライト級で優勝。全米選手権でも頂点に立ちました。

プロデビューとキャリアのスタート

2014年4月19日、18歳でプロデビュー。プエルトリコのビクター・ガリンドを4回判定勝ちで下し、その後も連勝を重ねていきます。そんでデビューから5年間で19連勝を達成、WBOインターナショナル王座やNABO北米王座を獲得しました。

世界王座初挑戦と挫折

2019年11月9日、WBO世界スーパーフェザー級王者ジャメル・ヘリングに挑戦しましたが、0-3の判定負け。この試合で、ローチは10万ドルのファイトマネーを獲得します。

悲願の世界王座獲得

2023年11月25日、ドミニカの強豪エクトル・ルイス・ガルシアと対戦し、2-1の判定勝ちでWBA世界スーパーフェザー級王座を奪取。デビューから9年越しの世界王者となりました。

王座防衛戦と最新の試合

2024年6月28日、アイルランドのフィアガル・マクローリーを8回TKOで下し、初防衛に成功します。2025年3月1日には元3階級制覇王者ジェルボンテ・デイビスと対戦し、0-1の判定で引き分け。この試合ではWBA世界ライト級王座に挑戦しましたが、階級を上げた状態での戦いとなりました。

ソーシャルメディアやファンの評価は?

XやReddit、5chなどでは「テクニックが光る」「堅実なボクサー」「派手さはないが強い」といった声が多く見られます。デービス戦後は「幻のダウン」についての議論が盛り上がり、ローチ選手の実力を再評価するファンも増加中です。

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