ドラム式洗濯乾燥機や電気炊飯器、自動運転車にルンバ。科学技術の発展は「いかにラクに効率化できるか」を追求してきた歴史と言えます。最終的には頭の中で唱えるだけで動かせそうですが、とりあえず声で操るAIスピーカーが進歩しました。
現地時間の2025年2月26日、Amazonが次世代AIアシスタント「アレクサ・プラス」を発表。この発表によると、どうやらアレクサ・プラスは単なるアップグレード版ではないAI機能を搭載しているみたいです。
ただし、例のごとく日本上陸はもう少し先。
★ もくじ
アレクサの進化版
自然な会話で、家政婦のような存在に
基本的に従来のアレクサは、こちらからの一方的な命令に反応するだけでしたが、アレクサ・プラスでは人間と話しているかのような自然な会話ができるようになりました。
例えば「アレクサ、今日の夕飯どうしよう」と言えば、冷蔵庫の中身を確認して、材料に合わせたレシピを提案してくれるかもしれません。さらに「いや今日は疲れているから、もっと簡単なのがいい」と言えば、電子レンジで作れる簡単レシピに変更してくれます。
多少わがままな物言いでも「そのくらい自分でやれ」と返されるようなことはありません。
生成AIパワーで、どんな質問にも対応
アレクサ・プラスは生成AIを搭載したことで、ほぼあらゆる質問に答えられるようになりました。歴史や科学、スポーツ、エンターテイメントなど、ジャンルを問わず幅広い知識を持っています。
例えば「アレクサ、江戸時代の食事について教えて」と聞けば、当時の主食や調理法、食文化の特徴まで詳しく説明してくれます。さらに、「じゃあ、現代の食事との違いは？」と掘り下げれば、栄養バランスの変化や食材の多様化についても教えてくれるでしょう。
「明日の歴史のテストの範囲を復習したいんだけど」と言えば、該当する時代の重要な出来事や人物について説明してくれるし「じゃあ、この内容で問題出して」と言えば、ランダムに問題を作成して出題してくれるでしょう。
もう塾や家庭教師も必要ありません。
ニュースも、あなた好みにカスタマイズ
アレクサ・プラスは、それぞれ個人の興味関心に合わせてニュースをカスタマイズしてくれます。好きなスポーツチームの最新情報や、気になる芸能人のゴシップ、もちろん世界経済の動向まで、知りたい情報を的確にピックアップしてくれるんです。
もしあなたがひょうろくさんだとして、朝起きてアレクサ・プラスに「今日のニュース教えて」と言えば「ひょうろくさん、おはようございます。昨日はバレーボール日本代表が逆転勝利しましたよ。それから、気になっていた新作映画の評判が上々だそうです。あ、ちなみに株価も上がっています」なんて感じで、重要な情報を要約して教えてくれます。
もうテレビで朝のワイドショーを観る必要もありません。
スマートホームの操作が、もっと賢く
アレクサ・プラスは、操作も今までのアレクサより賢くなりました。これまで通りエアコンや照明の操作はもちろん、複雑な設定も自然な言葉で指示できるようになったんです。
「アレクサ、リビングを映画モードにして」と言えば、照明を暗くし、カーテンを閉め、テレビの電源を入れ、サウンドバーの音量を調整してくれます。さらに「でも、ちょっと寒いかな」と言えば、室温を少し上げてくれるでしょう。
言葉だけで周りを動かす、昭和のお父さんを体験できます。
セキュリティ機能も、より高度に
アレクサ・プラスはセキュリティカメラとの連携も強化されました。例えばRing社のセキュリティカメラと連携すれば、映像の中の特定の対象を認識し、報告してくれます。
「アレクサ、今日うちの犬の散歩をしてくれた人の映像を見せて」と言えば、その日のセキュリティカメラの映像から、犬の散歩をしている人の映像だけをピックアップして表示してくれます。
アレクサ・プラスで、暮らしはどう変わるか
より自然で、ストレスフリーな生活に
これまで旧アレクサに話しかけるのは、なんか小っ恥ずかしさを感じることもありました。「アレクサ、○○して」という決まり文句を言わなければいけないし、言葉を選ばないと理解してもらえない。
でもアレクサ・プラスであれば、人間と話すように自然に会話できるんです。朝起きて「今日も頑張ろう」とつぶやけば、「おはようございます。今日の予定をお知らせしますね」と返してくれるかもしれません。ちょっとウザいくらいに。
もしかしたら家事の合間に「ちょっと疲れたなぁ」とため息をつけば「リラックスできる音楽をかけましょうか？」と気遣ってくれるかも。そんな自然なやりとりが、日常のあちこちで増えていくでしょう。
アレクサ・プラスの登場で我々の日常生活は、より自然でストレスフリーなものになるかも。
料金は？
料金体系、アメリカの場合ですが、プライム会員は無料。プライム会員でない場合は月額19.99ドル（約3000円）。日本での料金についてはまだ未定です。
なお一部の機能やサービスについては追加料金が必要な場合があり、例えばAmazon Music Unlimitedのようなストリーミングサービスと組み合わせて使用する場合は、それぞれのサービスの料金が別途かかります。
しかし生成AI搭載でグレードアップしたからと言え、月3000円も払う人がいるとは思えませんよねえ。とりあえずプライム会員向けのサービスと認識しておくべきです。
アレクサというかスマートスピーカーって、使う前はこんなもん必要ないとか思ってましたけど、使ってみると想像よりずっと便利です。この魅力、なかなか伝わりにくいけど。