
故ビッグモーターは、1976年に山口県岩国市で創業された日本の自動車関連企業。ナナロク世代ですね、関係ないけど。
中古車・新車の販売や買取、車検、整備、鈑金塗装、損害保険代理店など、自動車に関連する幅広いサービスを提供していました。全国に300店舗以上を展開し、2022年度には中古車業界での売上高シェアは約15%。ネクステージとかガリバーなんかがライバルでした。
その後2023年に保険金不正請求問題で世間を騒がせたビッグモーターですが、2024年5月からは「WECARS(ウィーカーズ)」として、ひそかに新しくスタートしています。
じゃあ兼重宏行氏と息子の宏一氏は今どこで何をしているんでしょう?そして会社はどのように生まれ変わろうとしているのか?伊藤忠商事が主導する再建の道筋と共に、創業家の足跡もたどりながら、この会社の現在をちょっぴり調べてみました。
★ もくじ
ビッグモーター創業家はどこへ消えた?兼重親子の現在
経営から退いた兼重親子
2023年に発覚した保険金不正請求やその他の違法行為により、ビッグモーターは大炎上しました。
当然、兼重親子は経営陣から退きましたが、同社の資産管理会社「ビッグアセット」を通じて全株式を保有しているため、形式的には経営から退いても実質的な影響力を持ち続けているとされています。法ってなんだか当てにならないですね。
息子・宏一氏の海外逃亡説
兼重宏一氏については、海外に逃げやがったとの噂もありますが、その真偽は明らかになっていません。不祥事後の記者会見には姿を見せず、その行方については依然として不透明な状況です。
一部報道では、彼がかつて損保ジャパンに在籍していた経歴やMBA取得後に副社長に就任した経緯も注目されています。MBAとはもちろんマックブックエアーではなくMaster of Business Administration、経営学の大学院修士課程を修了した際に授与される学位です。
財務危機と資産売却
親子が保有していた資産についても動きがありました。2025年3月時点で、大豪邸を売却するなどして100億円以上の借金返済に追われているとの報道があります。これにより、一応かつての豪勢な生活から一転し、厳しい状況に置かれている可能性があります。
父は岩国工高出身、息子は早稲田大卒のエリート
兼重宏行氏は、1951年9月13日に山口県岩国市南岩国町で生まれました。地元の小中学校を卒業後、岩国工業高校に進学。1970年に卒業後は陸上自衛隊に入隊しました。その後結婚し自衛隊を退職、大手自動車ディーラーに勤務しました。
そして1976年、故郷で「兼重オートセンター」を創業、1978年には法人化して代表取締役社長に就任しました。1980年には社名を「株式会社ビッグモーター」に変更し、一代で売上高5800億円を誇る業界トップ企業に成長させました。
一方、息子の兼重宏一氏は1988年7月17日に生まれ、進学校として知られる四国の私立高校へ進学。卒業後、早稲田大学商学部に進学しました。
大学卒業後は日本興亜損保(現在の損保ジャパン)に入社し約1年間勤務した後、2012年に父親が経営するビッグモーターに入社。同時に社長室次長に就任し、2015年にはアメリカ・ロチェスター大学でMBA(経営学修士号)を取得。
その後、副社長としてビッグモーターの経営に携わります。
伊藤忠主導で生まれ変わる:ビッグモーターから「ウィーカーズ」へ
過去との決別と新体制の構築
ウィーカーズの設立で、創業家や旧経営陣を完全に排除、新たに就任した田中慎二郎社長を中心に透明性の高いガバナンス体制が構築されました。
田中社長は伊藤忠商事出身であり、事業再生の経験を持つ人物。彼のリーダーシップの下「改革貫徹本部」が設立され、コンプライアンス遵守や人事制度の見直し、従業員教育などが進められています。でもウィーカーズって名前、草野球チームっぽい。
コンプライアンスと信頼回復への取り組み
ウィーカーズが最優先課題として掲げているのがコンプライアンスの徹底。そりゃそうだ。不正行為を防ぐために内部通報制度を強化、不正行為を助長していた利益至上主義的な評価制度も見直されました。
また伊藤忠商事から派遣された50人以上の専門人材も現場に配置されています。これらの改革は、消費者や取引先からの信頼回復を目指す重要なステップ。
ブランド再生と市場での挑戦
ウィーカーズは「お客様第一」を掲げ、中古車販売業界で再びトップシェアを目指しています。「儲け第一」の旧ビッグモーター時代で失われたブランド価値を取り戻すべく、新しいビジネスモデルや顧客サービスが導入されています。
中身が本当に変わったかどうかについては、これから市場や消費者が判断していくでしょう。
ビッグモーター不祥事の全容と企業文化
不祥事の概要
ビッグモーターは、中古車販売業界の大手として知られていましたが、顧客から預かった車両を故意に傷つけたりタイヤをパンクさせたりすることで、保険金を不正に請求していたことが発覚。
このような行為は全国34の修理工場で確認され、調査では修理1台あたり約39,000円の水増し請求が行われていたことが判明しています。
さらに、この不正行為は一部の社員によるものではなく経営陣主導のもとで組織的に行われており、経営陣は従業員に高額なノルマを課し、達成できない場合には降格や厳しい処分を行うなど、圧力をかけていました。
この結果、不正請求が日常的な慣行として定着していたわけです。
企業文化と組織風土
ビッグモーターの企業文化は、極端な売上至上主義と実力主義。この中では高い成果を上げた社員が表彰される一方、ノルマ未達成者には厳しい罰則が科されます。そのため、多くの従業員が不正行為に手を染めざるを得ない状況に追い込まれていたのでした。
また「お客様第一」を掲げた経営理念を持ちながらも、それを実践するための具体的な取り組みやガバナンス体制はありません。ホームページ上にも企業理念やCSR方針が明示されておらず、経営陣自体が理念を軽視していたのでしょう。
社会への影響と再建
この不祥事は、ビッグモーターだけでなく中古車販売業界全体や保険業界にも深刻な影響を及ぼしました。保険会社も、この不正構造から利益を得る仕組みになっていたわけで、業界全体でのガバナンス不足が露呈しました。
そして2024年には伊藤忠商事やジェイ・ウィル・パートナーズなどによる買収が行われ、新たに「ウィーカーズ」として再出発。しかし過去の負債とも言える悪しき風土を完全に払拭するには時間が必要です。