カメラ付きのケータイが世界市場を席巻するようになったのは、2000年10月にJ-フォン(現・ソフトバンクモバイル)からシャープ製の「J-SH04」発売されてからとのこと。当時、向山淳衆院議員と福田かおる衆院議員は共にティーンエイジャーであり、日常で軽薄に簡単に写真を撮るようになった最初の世代と言えましょう。
そんな2人が本会議中に写真撮影をして批判を浴びました。「わーい国会だー」という浮かれた軽い気持ちで起こした新人議員の行動に、ネット上では厳しい声が相次いでいます。ただ本記事を参照していただくとわかるとおり大変優秀で可能性のある方なので、こんなことで潰さないでほしいです。
- 向山議員って、どんな経歴の持ち主なんだ?
- 商社マンから政治家になったってホント?
- ハーバード大学留学の噂は本当なの?
向山淳(むこーやまじゅん)議員の経歴について、商社時代の経験や留学生活、そして政界進出までの道のりを調べてみました。エリート街道を歩んできた新人議員の人物像に迫ります。
★ もくじ
向山淳議員の経歴:商社から政界へ3つの転機
三菱商事での13年間:グローバル経験を積む
日本を代表する総合商社の一つ、三菱商事。世界中に拠点を持つこのグローバル企業で、向山議員は国際的なインフラ事業の開発と運営に従事していました。
三菱商事では海外駐在の機会も多く、現地のビジネスパートナーや顧客とのやり取りを通じて異文化コミュニケーション能力や国際感覚を磨くことに重きをおいていたため、国会の会議場内では撮影禁止ということは知らなかったのだと思われます。そんな優れた経験の無い私も知りませんでした。
ハーバード留学:政策立案能力を磨く
結婚後の妊活中に政治家を志すようになり、生まれたばかりの0歳の娘を連れ、一般財団法人神山財団の海外留学奨学金制度でハーバード大へ行きまして、公共政策大学院を修了します。
いや素直に行動力が素晴らしい。禁止されている場所で写真を撮っていたなんてどうでもいいレベルです。
政界進出:自民党で新たな挑戦
2024年の衆議院選挙に自民党から比例代表北海道ブロックで初当選を果たし、政界に進出。自民党を選んだ理由としては、現実的な外交・安全保障、経済政策を進められるのは自民党しかないと考えたことを挙げています。
一方で、女性や子育てに関する政策立案において自民には多様性が不足していると感じ、その一端を担いたいという思いも持っていると語っています。
向山淳議員の4つの主要政策と公約
地域振興と人口減少対策
ひとつめは「道南に住み続けたい未来」の実現。函館市の人口が50年ぶりに24万人を割り込み、渡島・檜山管内全体で出生数が10年前に比べて4割減少するなど、人口減少は道南最大の課題となっています。いやまったく道南に限った話じゃないんだけど。
- 若者の雇用創出:地域の潜在力を活かし、新しい産業を誘致・育成することで、若者が働きたいと思える場所を増やす
- 所得向上:既存産業の生産性向上や新産業創出により、地域全体の所得水準を引き上げる
- 安心して暮らせる環境整備:医療・福祉サービスの充実や、子育て支援の強化により、若い世代が安心して暮らせる環境を整える
- 観光業の発展:道南の基幹産業である観光業をさらに発展させ、経済活性化につなげる
- 人材育成:地元で活躍できる人材を育成するための教育・研修プログラムを充実させる
正直、実際には細かいところで高齢者たちを中心に住民が邪魔をするので無理じゃないかと個人的には思ったり。
インフラ整備
まず函館市と各地方を結ぶ道路を「命のみち」と位置付け、緊急搬送や地域医療を支える重要なインフラとして優先的に整備。そして
- 産業振興のためのインフラ:農林水産業や観光業など道南の強みを活かすため、新鮮な農水産物の出荷や観光客の周遊に必要な交通インフラの整備
- 新産業対応:檜山沖・松前沖の洋上風力発電など、新しい産業の拠点を結ぶ
- 北海道新幹線の活用:新幹線延伸を活かした観光周遊ルートの利便性向上
- 港湾整備:函館の若松埠頭整備など、クルーズ船寄港に対応したインフラ整備を支持
全体的にメッセージが道議会議員ぽい。国の力を使うってことなんでしょうけども。
政治改革
古いジジ臭い政治の慣習を破壊し、新しい自民党を作り上げることを目標としています。民間経験や子育て世代の感覚を活かして「当たり前のこと」を政治の世界でも実現するそうで。あとデジタル化を推進して電子投票を実現するなど、より参加しやすい政治システムの構築を目指しています。
子育て支援
特に現役、子育て世代の声を政策に反映させることを重視しています。実際に、コロナ時代の保育園休園時、仕事と育児の両立に苦しんだ保護者1,600人の声をまとめ、自治体や自民党に提言を行なった経験があります。また、子育て世代の経済的負担を軽減するための施策や、働き方改革を通じてワークライフバランスの改善を目指しています。向山議員は、これらの政策を通じて、子どもたちが「日本に生まれてよかった」と思える国づくりを目指しています。「時すでに遅し」と諦めてはいないようです。
向山淳議員のプロフィール:多彩な背景
1983年生まれ:幼少期の海外経験
生まれは1983年、埼玉。人生のスタートこそ埼玉でしたが、その後の幼少期は親父さんの仕事の関係で海外で暮らします。2歳から4歳まではペルー、その後いったん日本に戻って11歳から14歳までアメリカ、さらに14歳から15歳まではアルゼンチンという、英語とスペイン語な環境で育ちました。
慶應義塾大学から三菱商事へ
高校からは、慶應義塾女子を経て慶應義塾大学法学部政治学科を卒業。その後は三菱商事に入社し、13年間にわたりインフラ開発や企業再生、インターネット事業など多岐にわたる業務に従事、発電所や港湾の開発に携わりました。
ハーバード大学院で行政学修士取得
三菱商事での経験を経て向山氏は政策立案への関心が高まり、ハーバード大学公共政策大学院に進学します。留学中は育児とキャリアの両立を目指しながら、自身の経験をもとに未来の日本に貢献するための政策研究に取り組みました。ハーバードでの学びを終えた後は、日本を拠点とする独立系シンクタンクであるアジア・パシフィック・イニシアティブ(Asia Pacific Initiative)で主任客員研究員として幅広い分野で活動しています。
現在の政治活動:北海道8区支部長
向山議員は2023年7月、自由民主党北海道第8選挙区支部長に就任し、道南地域の声を国政に届けることを使命として精力的に活動を展開しています。
彼女は、地域の最優先課題として急速に進む人口減少と経済停滞への対策を掲げ、具体的には企業誘致や産業振興による経済活性化と賃上げの実現、子育て環境の整備、省庁移転による中央集権の解消、風力発電の基地港整備、新幹線の函館駅乗り入れなどの社会資本整備、デジタル産業誘致のための特区やモデル事業の活用などを提案。
2024年10月の衆議院選挙で比例代表北海道ブロックで初当選を果たし、11月11日に初登院、その記念に写真を撮りました。向山議員は「地域のため、そして日本のために全力で働く」決意を表明し、新人議員ならではの視点で古い政治の慣習や自民党のあり方について積極的に発言していく姿勢を示しています。