ケーキを作ったことがありますでしょうか。レシピ通りに作ると、ドン引きするほど大量の砂糖やバターを使用します。なので本来は日本語で言う「ハレの日」のような特別な日にだけ食べるものなのです。日常で食べると長生きできません。
ところが神道や仏教由来である正月、節句、盆、成人式、七五三などにはケーキが出てきません。ケーキは、あくまで誕生日やクリスマスなど西洋の習慣にもとづくもの。
「でも、もうちょっと合法的にケーキを食べられる日が欲しい」という日本人の熱い思いから、マイナーな西洋の行事を見つけて日本に輸入したのが、1月6日のケーキの日なんだと思います。個人の憶測ですが。
この日はフランスの伝統菓子「ガレット・デ・ロワ」を楽しむ日です。
★ もくじ
1月6日はなぜ「ケーキの日」なの?
「ケーキの日」の由来はフランスの伝統行事
1月6日が「ケーキの日」と呼ばれる理由は、フランスの伝統行事「エピファニー(公現祭)」に由来しています。この日はキリスト教の祝日で、東方の三博士がイエス・キリストの誕生を祝った日とされています。
フランスでは、この日に「ガレット・デ・ロワ」という特別なケーキを食べる習慣があります。
ちなみに東方の三博士というのは、新約聖書に登場する「東方の国々から来た占星術師たち」。イエスの誕生を祝福した最初の人々という噂です。
ガレット・デ・ロワてのはパイ生地で作られた円形のケーキで、中には「フェーヴ」と呼ばれる小さな陶器の人形やアーモンドが隠されています。このフェーヴを引き当てた人は、その日「王様」や「女王様」として祝福されるというよくわからない伝統があります。
この習慣が日本にも広まり、バブル世代が喜んでやっていたという王様ゲームに繋がったとか繋がってないとか。
日本での「ケーキの日」の始まり
1879年(明治12年)1月6日。この日、東京の上野にある風月堂が、日本で初めてケーキの広告を新聞に載せました。この広告は日本における洋菓子文化の幕開けとなりました。
当然ながら当時の日本では和菓子が主流であり、洋菓子は非常に珍しかった。風月堂自体は長い歴史を持つ和菓子店で、江戸時代中期には「大阪屋」という名前で営業を始めていました。
明治に入って5代目の喜右衛門が当主を務めていた時期、この画期的なケーキの販売が行われたわけです。ただし「ケーキの日」として正式に制定された経緯や団体、目的については明確な記録が残っておらず、多くの人々にとってはあまり知られていない記念日かも。
でも、この日を通じて日本のケーキ文化の歴史を振り返る機会として意義があるとも言えるでしょう。
ガレット・デ・ロワってどんなケーキ?
見た目も味も特別なケーキ
ガレット・デ・ロワは、サクサクのパイ生地にアーモンドクリームがたっぷり詰まったお菓子。また、ケーキの上には美しい模様が描かれており、デカい月餅みたいです。
さらに、このケーキの最大の特徴は「フェーヴ」。フェーヴを引き当てた人は、その日だけの「王様」や「女王様」として、紙製の王冠をかぶることができます。なんというスペイベ。
フェーヴの楽しみ方
フェーヴは、ケーキを食べる楽しみを倍増させてくれるアイテム。マニアの中では、陶器製のフェーヴがコレクターズアイテムとしても人気を集めています。日本のパティスリーでは、オリジナルデザインのフェーヴを用意しているお店も多いとか。
フェーヴを引き当てる瞬間は、家族や友人と一緒に盛り上がること間違いなし。王冠と一緒にローカルルールとして、賞金がもらえたり、あるいはクルマがもらえたり、もしくはハワイ旅行がもらえたりすると、一年が待ち遠しく感じることでしょう。
ガレット・デ・ロワを扱っているECサイト
グリーンビーントゥーバーチョコレート
中目黒本店での店頭受け取りが可能なガレット・デ・ロワを提供しています。
ラ ブティック ドゥ ジョエル・ロブション オンラインショップ
2025年1月31日までの限定商品として、当日焼き上げの全国発送可能なガレット・デ・ロワを販売しています。価格は4,800円(税込)。
rebake
パン専門通販サービスrebakeでは、店舗以外での販売を独占的に行なっています。特に以下の2店舗のガレット・デ・ロワに注目
パン・アトリエ・クレッセント(茨城):限定50台
Palaoa(千葉):限定20台
TOOTH TOOTH MART STORE
パティスリーTOOTH TOOTHのガレット・デ・ロワを4,104円で販売しています。
これらのECサイトでは、各店舗の特徴的なガレット・デ・ロワを購入することができます。ただし、多くが季節限定商品であり、売り切れ注意なのだ。
「ケーキの日」を楽しむ
もはや戦後ではない。ケーキなんて、好きな時に好きな品種を好きなように食べられるのだから、そうすればいい。
ただせっかくだからケーキ屋さんの祭りに乗っかって、東方の三博士に思いを馳せながらガレット・デ・ロワを切り分けるのも、カフェでガレット・デ・ロワをたしなむ自分に酔うのも、人生の経験を豊かにするイベントのひとつだと思うのです。大げさに言うと。