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中国人妻による替え玉殺人事件|3人を死に追いやった犯人の結末

中国人妻による替え玉殺人事件|3人を死に追いやった犯人の結末

1950年代に、福岡市の「元祖長浜屋」で生まれたとされる替え玉の文化。当時、魚市場で働く漁師が多かった長浜地区で「一杯では足りない」という客のために、スープと具はそのままで麺だけをおかわりする「替え玉」というスタイルが考案されました。

普通の人は「替え玉」というとこちらを連想するわけで、この言葉と殺人とは結びつきません。なので「替え玉で人を殺して金を奪う」とは、一体どういうことなのでしょう?

3人の命を奪った、中国人妻による替え玉殺人とは?

3人の命を奪った、中国人妻による替え玉殺人とは?
澳洲印象

事件の概要

主犯は、1998年頃中国から日本に来た人妻の尹麗娜(イン・リナ)。その後2001年から2002年にかけて、夫とその替え玉(身代わり)として用意された2人の男性計3人を、遺産相続の形をとった遺産強奪を目的として殺害した事件です。

経緯

発覚したのは、2002年の4月。大阪市役所にかかってきた「転入届の書類に不審な点がある」という問合せの電話からはじまりました。

数ヶ月前に提出された、加藤善一郎さん(77歳)の死亡届。しかし、その死は家族に知らされておらず、さらに死亡届の提出場所が加藤さんや家族に縁のない石川県だったという。

調査の結果、死亡届に添付されていた写真が加藤さん本人とは異なる別人であることも判明します。

遺産を狙う

イン・リナは西成区でスナックを経営しており、亡くなった加藤さんと婚姻関係にありました。

加藤さんは、糖尿病の治療が必要な高齢者。その遺産を狙ったイン・リナは、共謀者の越田俊昭と、偽造した住民票や印鑑証明を使って法務局を騙し不正に相続することを計画。

その方法は、別の糖尿病の男性を夫の身代わりとして殺害し、その遺体をあたかも夫が病死したかのように見せかけるというものでした。

常連客との共謀

やがて替え玉に選ばれたホームレス男性は、監禁されてインスリンを与えられず死亡。この男性は加藤さんの身代わりとして死亡届に使われ、病死として処理されたのです。さらに他の替え玉の一人である高木清さんも死亡しており、事件全体で3人が命を奪われました。

まぁ普通に考えれば、この共謀者である越田俊昭が考えついて、まんまとイン・リナを実行犯として操ったと考えるのが妥当ですよね。日本の法律がある程度わからないと難しいので。

でも実際は、越田俊昭はスナックの常連客だったことから、イン・リナに相談を持ちかけられ事件に関与したとのこと。こんなのに加担するなんて、借金とか何かの弱みを握られてたとか、そんな理由があったのでしょう。

2900万円をだまし取った手口

書類を偽造して財産を奪う

イン・リナは、亡くなった夫と、その前妻との間に生まれた娘たちの名前を勝手に使い住民異動届などを偽造。さらにその娘たちに無断で住民票を移動させ、印鑑を登録した上で印鑑登録証明書まで入手しました。

これらの偽造書類を使って、夫名義の土地の所有権移転登記を受けます。遺族が全く知らないうちに土地の名義が変更されていたのです。こんなことできるシステムもどうかしてます。

預貯金もすべて引き出す

さらに被告は、相続届なども偽造して行使し、亡くなった夫名義の預貯金などから合計約2900万円を奪い取りました。殺人を手段として財産を不正に取得するという、イカれた犯行でした。

犯行後、被告は得た財産の大部分を自分のものにしています。もしかすると、他にも似たような手段で捕まらず、のうのうと生きてる輩もどこかにいるんでしょうね。

判決

死刑も検討された重大事件

被告のイン・リナには「傷害致死、殺人、有印私文書偽造、同行使、電磁的公正証書原本不実記録、同供用、公正証書原本不実記載、同行使、詐欺、出入国管理及び難民認定法違反、公用文書毀棄」など、フルコースな罪状が認められています。

平成25年11月11日の最高裁判決では、この事件の悪質性について厳しい指摘がなされました。3名もの生命が奪われたという結果の重大性、遺族の厳しい処罰感情、社会に与えた大きな衝撃などを考慮すると、死刑を選択することも十分に考慮されるとされたのです。

それでも無期懲役となった理由

しかし大阪地裁と大阪高裁での裁判において、一審の大阪地裁では3件のうち近藤さんの事件のみ殺人罪が認定され、加藤さんの事件は傷害致死罪、高木さんの事件は無罪とされました。

控訴審の大阪高裁では一審判決が支持され、検察・弁護側双方の控訴は棄却。結果として無期懲役判決が確定し、死刑は回避されたのです。まあ一生出てこられないのなら、それでいいと思います。

具体的な収監先はプライバシーの観点から公開されていませんが、現在服役中。

無期懲役の実態

日本の無期懲役は、文字通り期限のない懲役刑。仮釈放もありますが、無期懲役受刑者の仮釈放までの平均服役期間は30年以上といわれています。

特に本件のように複数の殺人を犯し、反省の態度も見られないケースでは、仮釈放が認められる可能性は低いでしょう。

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