
インターネッツの登場で国境のない世界が実現し人類はひとつになるかと思いきや、かえって溝が深まっていると感じるのはただの思い込みでしょうか。ファクトフルネスによれば世界は良くなっているとのことですが。
平和の祭典クリスマスのニューヨークで、サンタ姿の男が猛毒リシン入りのキャンディーを配る計画が発覚。その黒幕は、フォイエルクリーク師団を立ち上げた少年とのこと。なんだか、また怪しげな軍団が誕生したようです。日本で言えば参政党みたいな感じですか?
フォイエルクリーク師団の始まり
軍団の設立と13歳の司令官
エストニア、わかりますか?戦後ソ連に吸収されたバルト三国の、一番北にある国。行政サービスの完全オンライン化や世界初の電子投票などデジタル先進国としても有名で、今はなきSkypeもエストニア発であります。
フォイエルクリーク師団は、まだコロナ前の2018年頃にエストニアのサーレマー島あたりで生まれた国際的なネオナチ集団。設立者は「Commander(コマンダー)」と呼ばれる少年で、当時まだ13歳でした。
この少年は2011年から2017まであった「Iron March(アイアンマーチ)」というネオナチのウェブフォーラムで活動を始め、Atomwaffen Divisionという米国の過激派グループに影響を受けました。
少年はチャットでメンバーを統率し、世界中の若者を勧誘。リトアニアの爆弾事件やイギリスの脅迫事件を引き起こすほど勢力を広げました。2020年にはイギリス政府がテロ組織指定し、活動を公には停止したものの地下でつながりを保っています。
Atomwaffen Division (AWD) とのつながり
フォイエルクリーク師団のルーツは、2015年に結成された国際的なネオナチ組織であるAtomwaffen Division(アトムヴァッフェン・ディビジョン、ドイツ語で核兵器という意味)。
このグループはJames Mason氏の著書『Siege』を聖典とし、加速主義を信条に社会崩壊を狙います。フォイエルクリーク師団はこれの欧州版として模倣しました。
加速主義ってのは、いまの資本主義や技術の流れをあえてもっと加速させて、その行き着く先で社会を大きく変えようとする思想です。「資本主義やテクノロジーをアクセル全開にして、その結果として社会の大変革や崩壊・再編を起こそう」という考え方。
極右は元々の意味を自分らに便利に解釈し「暴力的手段を用いて行う人種間闘争を志向すること」の意味で引用しています。
どんな信念で動く集団なのか
白人至上主義と加速主義の融合
メンバーは13歳から25歳の若者を狙い、ソーシャルメディアで暴力的プロパガンダをばらまきます。ISISのTATP爆弾製造動画を共有したり、ユダヤ人や有色人種への大量殺戮を呼びかけたりなどなど。
設立した少年は人種差別に関する試験を課し、合格者のみ入団を許しました。こうした厳格さで、忠実な戦士を生み出します。そして、この思想がニューヨークのテロ計画において、リシンキャンディーというイカれた形で現れました。
暴力宣伝と国際ネットワークの広がり
集団の活動はオンライン中心で、ベルギーのGuy Verhofstadt国会議員やYouTubeのSusan Wojcicki最高経営責任者への脅迫は有名。さらにアイルランドやカナダ、ドイツへの拡大を宣言し、それに対してアイルランドのガルダ警視庁はメンバーを国外追放しました。
α世代が分断に染まるわけ
デジタルネイティブの孤独と過激化
Z世代の次の世代「α世代」は、2010年以降生まれでスマホやAIに囲まれて育ちました。生まれる前にiPhoneが登場し、常にネットにつながっています。ソーシャルメディア依存で孤立しやすく、そこにこのような集団が付け入るわけです。
親の影響と社会意識の二面性
α世代の親はミレニアル世代が多く、多様性や環境問題を教えます。ところが情報過多で批判思考が育ちにくく、過激派のプロパガンダにも染まりやすいという。さらにCOVID-19により屋外交流が減ったことで、よりデジタル世界に没入しました。
結果、老人のマスメディア信奉が形を変えたみたい。

