
始めに言っておきますが、現時点でフジタ氏は、あくまで資産運用担当者としてエプスタインに推薦されただけで事件そのものに関わったというわけではありません。
事件というのは、未成年の少女に金持ちたちがスケベな犯罪をしたというあのジェフリー・エプスタイン事件です。ただ、同様に事件に関わっていなかったMITメディアラボの伊藤穰一さんも多額の寄付を受けていたってことで所長と教授を辞任したんですよね。
なおエプスタインは2006年に起訴されたわけですが、いまだにアメリカでは新しく文書の内容が公開され、最近ではイギリスのスターマー首相も巻き込まれて「交友関係知りながら駐米大使任命した」などと批判にさらされています。
そういえば旧ジャニーズ事務所の件、一般には鎮火した感がありますね。この国は忘れるのが早い。
フジタダイスケとは、どんな人物?
人物像
金融の専門家で、高度な数学や統計を使って資産運用を行うプロフェッショナル、いわゆるクオンツ(Quants)だとされています。
アメリカ司法省が公開したエプスタイン文書の中に、2013年エプスタインあてに送られたメールがあり、その中で第三者の金融関係者が「フジタ ダイスケ」という人物をエプスタインに推薦していました。
そのメールにはフジタ氏の履歴書(レジュメ)が添付されており、そこから学歴や職歴、得意とする投資手法などが読み取れる形になっていたそうな。
このように名前が文書に出てきただけなので「事件に直接関わった」ということではなく、単に「金融のプロとしてエプスタインに紹介された可能性があるとして名前が記載されていた」という位置づけ。
学歴とキャリア
現在の年齢は、推定で50代前半。筑波大学と同大学院で学び、その後は大手の資産運用会社である大和アセットマネジメントに入社。
入社して間もなく、統計学や数学を使って市場を分析し投資戦略を組み立てる「クオンツ」という専門職に就いており、特に当時の日本ではかなり先進的なポジションでした。
その後は名門シカゴ大ビジネススクール(ブース・スクール・オブ・ビジネス)に留学、MBA(経営学修士)を取得しました。
シカゴ大学ブースは、特に金融工学や数量分析に強いビジネススクールとして知られており、アメリカの金融業界での評価が非常に高い学校です。つまり簡単に1行で言うと「高学歴で数理に強いエリート金融マン」ですね。
外資系金融機関での活躍
MBA取得後は、あのリーマン・ブラザーズで夏季インターンとして働き始めます。しかし直後にリーマン・ショックが起こり、同社は経営破綻に追い込まれました。
そこで野村證券の海外子会社である野村證券インターナショナルに移り、そこでバイス・プレジデント(VP)に昇進したとされています。
同社ではHFT(高頻度取引)と呼ばれる、コンピュータを使って一秒間に何度も売買を行うような高度な取引手法を担当。そこでも彼の運用能力の高さが語られています。
エプスタインとの関係は、どの程度のもの?
文書内に登場
2026年1月30日にアメリカの司法省が公開したエプスタイン文書は、300万ページ以上。プルーストの「失われた時を求めて」でもフランス語原書で3000ページ程度だというのに。
で、フジタ氏の名前は金融関係者がエプスタインに送ったメールの中にあったとちょっと触れられている程度。
メールの内容
エプスタインにメールを送った人は、フジタ氏を優秀な人物だと紹介。そもそもエプスタインは投資家であって、金融界にたくさんの人脈を持っていました。つまり単に仕事上のつながりだった可能性が大きいです。
不明点
最終的に、文書からはフジタ氏が実際にエプスタインに雇われて資産運用を任されたかどうかは不明。推薦されただけで終わったような感じですかね。
フジタダイスケ氏の現在
米系運用会社で働く金融プロフェッショナル?
一応、エプスタイン文書に添付されていた履歴書とその後のキャリアから、現在も海外で資産運用に携わっているとみられています。
具体的な勤務先の社名や役職は明かされていませんが、メディアでは「欧米の大手資産運用会社、もしくはヘッジファンド系の組織で、機関投資家向けの運用を担当している可能性が高い」といったニュアンスで紹介されています。
シカゴ大学ブース・スクール・オブ・ビジネスのネットワークを考えると、彼がアメリカやイギリスなどの金融センターで年金基金や大学基金向けの運用に関わっているシナリオは十分あり得ます。
ただ、自身は表に登場してこないため、その現在の肩書や所在地を断定することはできません。結局は金融プロフェッショナルとしてキャリアを続けている日本人という位置づけが現時点での精一杯かと。
報道を読む側がきちんと留意したい点
伊藤穰一さんの場合は詳細な調査報告書が出ているのに対し、フジタ氏については文書に名前があったというレベル。
エプスタインファイルには学者や弁護士、メディア関係者、投資家など、非常に多くの名前が含まれますが、その全員がスケベ行為に関与したわけではなく、単にビジネス上のつきあいや社交界での接点があったに過ぎないケースも多いです。
この場合、普通にエプスタインという大口顧客候補へ自分の顧客や知人が有能な運用担当者を推薦しようとしたと考えるのが自然でしょう。
ただ、これがまたこの事件をややこしくしている一因でもありますよね。


