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ホテル雅叙園東京で何が?|オーナー変更と結婚式キャンセルの背景

ホテル雅叙園東京で何が?|オーナー変更と結婚式キャンセルの背景

バブル期の日本は金持ちだったので、海外資産を買いまくっていました。ニューヨーク・マンハッタンの象徴ロックフェラーセンターをはじめ、多くの日本企業がアメリカ企業を次々と買収しM&Aが急増していました。

あと、おばちゃんたちがヨーロッパの高級ブランド店に群がり「爆買い」という言葉が誕生しました。日本人はエコノミックアニマルと言われ、嫌われました。今では、すっかり買われる立場になってしまいましたが。

東京都目黒区の「ホテル雅叙園東京」。豪華絢爛な内装や格式高い結婚式場としてのイメージが浮かぶ人も多いでしょう。しかし2025年2月、いきなりの「結婚式キャンセル」と「一時閉館」の発表が話題となりました。

その背景には「オーナー変更」が関係しているそうです。一体何が起きているのでしょうね。

ホテル雅叙園東京とは、どんな場所?

日本初の総合結婚式場として知られる老舗

ホテル雅叙園東京は、昭和3年に創業された日本初の総合結婚式場。和と洋が融合した豪華な内装や美しい庭園が特徴で、多くのカップルにとって憧れの結婚式場だったそうな。特に「百段階段」と呼ばれる東京都指定有形文化財は観光スポットとしても有名です。

ここで、これまで23万組以上の結婚式が行われてきました。しかし、その伝統ある施設が2025年10月からいきなり一時閉館することに。ちゃんと計画的に順を追って周知するとかならわかるんですけど、どうも急すぎな展開だったようです。

なぜ結婚式がキャンセルされたのか?

突然の「全館リニューアル工事」の発表

2025年2月10日、ホテル雅叙園東京は公式サイトで「全館リニューアル工事」を行うため、2025年10月から2026年3月まで一時閉館すると発表しました。この決定により、同期間中に予定されていたすべての結婚式や宴会予約がキャンセルとなったのです。

予約をしていた新郎新婦には個別に連絡が入りましたが、そのタイミングは予約後わずか1カ月後だったケースもあり、多くのカップルが困惑と怒りを覚えています。SNS上でも「こんな急なキャンセルは納得できない」という声が多数見られました。

オーナー変更が影響した?

今回のリニューアル工事には、「オーナー変更」が大きく関係しています。

2025年1月、ホテル雅叙園東京はカナダの投資会社「ブルックフィールド・アセット・マネジメント」によって買収されました。この会社は不動産投資や再開発を得意とし、世界30カ国以上で事業を展開しています。

過去には日本国内でも商業施設や高級ホテルを買収し、高級化リニューアルを行った実績があります。今回も同様に、施設価値を高めるため全面的な改装を計画したようです。

これ、いわゆるハゲタカファンドですよね。経営難に陥った企業を安値で買い取り、短期間で高い利益を得ることを目的とした投資ファンド。

なぜ外資系企業が買収したのか?

日本不動産市場への外資進出トレンド

ここ数年、日本国内では外資系企業による不動産買収が増加しています。特に都心部では、高級ホテルや商業施設への投資が盛んです。ホテル雅叙園東京も、2011年以降その流れに乗った形で複数回オーナーが変わりました。日本が安くなったんです。

2014年から2025年1月までは中国政府系ファンド「中国投資有限責任公司(CIC)」が所有していましたが、今回ブルックフィールドに売却されたことで、新たな方向性へ舵を切ることになったようです。

今後どうなる?

高級ホテル化への期待と懸念

ブルックフィールドによるリニューアル後、ホテル雅叙園東京は、より高級志向の施設へと生まれ変わる可能性があります。

しかし、その一方で従来の結婚式場として利用できるかどうかについては不透明。あとは宿泊料金やサービス内容が大幅に変わる可能性も考えられます。「百段階段」にだって、文化財的価値を持てるか、利益追求のためにあっさり解体するか。

ちなみに百段階段といいつつ、この階段、実際は99段です。

長い歴史を持つ名門ホテルが、新たなオーナーによる再開発でどんな変貌を遂げるのでしょう。伝統を守るにもお金がかかりますからねえ。

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