
キャラメルコーンにピーナッツが入っている理由は、甘いパフ状スナックに香ばしいローストピーナッツの塩味を加えることで味にメリハリができ、ほどよいアクセントになるから。
あとキャラメルシロップが均等につく効果があり、暑い季節でもキャラメルコーンが溶けたり固まったりするのを防ぐためでもあるそうです。
でも甘くてピーナッツの入っていないスナック菓子なんか他にいくらでもありそうなので、イマイチ上記の説明だと納得がいきません。
なお、世界中で大きな話題となった「大韓航空ナッツ事件」が起きたのは2014年。あれから十余年、財閥の令嬢〈ナッツ姫〉はどうなったのでしょう?
★ もくじ
大韓航空ナッツ事件とは
概要
大韓航空ナッツ事件は、韓国の財閥家族による横暴な振る舞いが大きな社会問題となった事件。
韓国最大手航空会社の大韓航空の副社長だった趙顕娥(チョ・ヒョナ)氏が、ニューヨークのJFK国際空港発、大韓航空86便(エアバスA380型機)ファーストクラスに搭乗していたときに起こりました。趙氏は有名な財閥「韓進グループ」の会長令嬢。
2014年12月5日に発生し、世界中から注目を集めます。STAP細胞騒動や香港民主化デモがあった年です。
なんで「ナッツ」?
事件の発端は、ファーストクラスの客室乗務員がマカダミアナッツを袋ごと提供したこと。本来は小皿に盛って出すべきという企業マニュアルがあったため、趙顕娥氏は「サービスがなっていない」と激怒しました。「ナッツ姫」の爆誕です。
乗務員に対し「今すぐ飛行機から降りろ」と命じたうえ「マニュアルを見せろ」と強く要求したため、機内は騒然となりました。
飛行機の引き返し
このトラブルにより、飛行機はすでに滑走路に向かっていたにも関わらず搭乗ゲートへ引き返しました。さらに、サービス責任者であるチーフパーサーを機内から引きずり下ろします。その結果、出発が約11分遅れ、250人もの乗客が大迷惑を被りました。
相当、虫の居所が悪かったのでしょうか。
事件後の処分と世間の反応
主な処分
事件後、韓国の国土交通部は大韓航空に対して航空規則違反と判断し、過去最大額となる約27億9,000万ウォン(約2億8,700万円)の課徴金を科しました。また、趙顕娥氏にも約150万ウォンの過料が。
さらに、事件当時客室乗務員だったチーフパーサーや旅客担当の常務にも虚偽証言への関与が問われ、同じく150万ウォンの過料が科されました。
趙顕娥氏は刑事裁判にもかけられ、一審では懲役1年の実刑判決を受けましたが、二審では航路変更罪については無罪、執行猶予付き判決が出て釈放。最終的には懲役10ヶ月/執行猶予2年という判決が確定しました。
世間の反応と社会的影響
この事件は韓国国内外で広く報道され、多くの批判が集まりました。特に韓国では、財閥一家の横暴さや「身分の高い人が下の人に無理な命令をする」という社会構造(カプチル)が問題視。
趙顕娥氏は「ナッツ姫」というあだ名で揶揄(やゆ)され、世間から強い非難を受けました。
また事件の被害者である客室サービス責任者のパク・チャンジン氏は、一時休職した後に復職しましたが、一般乗務員への降格処分を不服として大韓航空を訴えました。この裁判では慰謝料請求もありましたが、全部は認められませんでした。
事件から懲戒処分まで約3年かかったことも疑問視され「KALフィア(大韓航空と国土交通部の癒着)」と呼ばれる問題や、韓進グループのオーナー一家への監督の甘さという批判も高まりました。
ナッツ姫の経営復帰と現在
趙顕娥の経営復帰
趙顕娥氏は、この事件により副社長職を辞任。出所後は大韓航空には戻ってはいませんが、韓進グループの子会社であるホテル運営会社「KALホテルネットワーク」の経営に復帰、社長として活動を始めました。
ホテル事業に関わりながら、家族内の財閥経営権を巡る争いに関与してるとも報じられています。
2025年現在の趙顕娥の状況
2025年に入っても趙顕娥氏は完全に社会的な復権を果たしているとは言えません。2024年頃からは、国税の滞納による高級マンションの差し押さえなど、経済的に厳しい状況も報じられています。
また、家族間の経営権争いなど複雑な事情も続いているため、経営者としての立場は安定していないようです。一方で、一部では平昌オリンピックの聖火ランナーを務めるなど、公の場に姿を見せたこともあり、社会復帰の兆しも見え隠れしています。
まぁ直接の被害者ではない我々は、そろそろ大目に見てやってよい頃かも知れません。他人の栄光からの転落を見て、充分うまい飯を食えたことと思います。