いや、つい昨日までスンドゥブだタッカルビだカンジャンケジャンだなんて幸せな気分でいたのに、急に非常戒厳とかどうしたって感じですよね。
言葉から浮かぶイメージだけでも戒厳令なんて穏やかじゃないわけですが、この「非常戒厳」というのは、韓国の憲法に定められた緊急措置です。
ユン大統領は顔を真赤にして「北朝鮮に従う勢力を一挙に撲滅する」と意気込んでいますが、マジでそんな大げさな事態が起きているのでしょうか?国会での政治活動が禁止なんて、民主主義国家でそんなことができるのでしょうか?
そのほか、韓国の非常戒厳について知っておくべき基礎知識なども調べてみました。みんな仲良くしようよ。
★ もくじ
韓国の非常戒厳とは?その定義と影響
まず非常戒厳て何だ?
「非常戒厳」とは、たとえば大量破壊兵器の拡散や国際テロリズム、サイバー攻撃、国内紛争、感染症の拡大のような国家の安全や公共秩序に対するデカい脅威に対応して韓国大統領が宣言する、民主的な政府を軍による政府に置き換えること。
非常戒厳令の下では、言論、出版、集会、結社の自由を含む市民の自由を制限するための特別措置が講じられる可能性があるうえ、軍による逮捕、拘留、押収、捜索、居住および移動の規制などの措置を実施することができます。戦時中の日本の特高警察みたい。
この宣言で、政府はまどろっこしい通常の法的手続きを取ることなく、緊急事態に対処するために軍に権力を集中させることができるわけですが。
しかし非常戒厳令の使用は極端な措置とみなされており、通常は戦争、深刻な内乱、または国家の機能を脅かすその他の国家危機の状況にのみ使用されるものなのです。
でも韓国って、もともと1961年から1987年まで軍事政権だったわけで、ある程度年齢がいった人たちにとっては慣れてるといえば慣れてるのかも。なわけないですね。
非常戒厳の法的根拠と発動条件
非常戒厳は韓国憲法第77条に規定されており、戦時・事変またはこれに準ずる国家非常事態時に大統領が宣布できます。公共の安寧秩序を維持する必要がある場合に発動され、軍事上の必要性も考慮されます。
今回もしかして裏で金正恩(キム・ジョンウン)が何かしたの?と思ったら関係ないっぽい。
市民生活への具体的な影響と制限
非常戒厳下では、国会や地方議会、政党の活動が禁止され、集会やデモも制限されます。メディアは統制を受け、令状なしの逮捕や捜索も可能となるため、市民の基本的権利が大幅に制限される可能性があるという恐ろしい状態。
過去の事例から見る非常戒厳の特徴
1980年5月の「5・17非常戒厳令拡大措置」が最も有名な事例で、全斗煥による軍事クーデターの一環として実施されました。当時は政治家の逮捕や国会の無力化が行われ、光州民主化運動の直接的な発端となりました。
この時の「光州民主化運動」を題材にした映画、傑作がいっぱいあります。
タクシー運転手 約束は海を越えて
ソン・ガンホ主演で、ソウルのタクシー運転手が外国人記者を光州に運び虐殺の現場を目撃する話
光州5・18
光州に住む人々を主人公とした群像劇で、彼らがなぜ闘いに駆り立てられたかを描いている
ペパーミント・キャンディ
光州民主化運動を鎮圧した側の軍人を主人公とし、その体験が人生を歪めていく過程を描いた作品
尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が非常戒厳を宣布した背景
国会との対立と予算案審議の行き詰まり
ユン大統領は野党による予算案の削減や政府高官の弾劾訴追を「内乱を企てる明白な反国家行為」と批判し、国政がマヒ状態にあると主張。国会での与野党対立が非常戒厳宣布の直接的な要因となりました。
いやこれ、ただの独裁者じゃ…。
尹(ユン)大統領の政治思想と危機管理手法
ユン大統領は「北朝鮮に従う勢力を一挙に撲滅する」と述べ、反対勢力を「従北反国家勢力」と呼びました。この発言は彼の強硬な政治姿勢を示しており、危機管理手法としては極端すぎないでしょうか。
さすがの北朝鮮さんも、勝手に政治手法に名前使われていい迷惑なのではないかと。
わずか6時間で解除
結局、今回の非常戒厳令は激しい政治的反発と国民の抗議を受けて約6時間後に解除されました。
宣言直後は何千人もの抗議者がソウルに集まり、尹大統領の弾劾を要求。党首のハン・ドンフン氏を含む尹大統領自身の党員でさえ、この決定を批判しました。
短期間の戒厳令は国内外で大騒ぎを引き起こし、米国なんかは状況について「深刻な懸念」を表明。この事件でユンさんの政治的立場はさらに弱くなり、野党議員らは「大統領やめろー」と暴れ始めているようです。