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山野こづえさんが消えた|2018年に起きた謎の行方不明事件と現在

山野こづえさんが消えた|2018年に起きた謎の行方不明事件と現在

区、つまり自治体が発行しているメール配信サービスに登録しています。天気や災害、地域のイベント情報、詐欺なんかへの注意喚起などが送られてくるんですが、中には行方不明者の情報提供を求める内容のも少なくなく。

たいていは認知機能が衰えたであろう高齢者の事例で「あぁ…」って感じなんですが、それが若い人とか子どもなんかだと、どうしても前者と比べ注目度に差が生まれてしまいます。

2024年(令和6年)の日本における年間行方不明者数は、警察に届け出があった数だけで約8万2000人超。届け出後1週間以内に所在が確認されるケースも多いですが、統計に表れないケースも存在します。

今回取り上げる、2018年に群馬県東吾妻町で起きた山野こづえさんの行方不明事件は、家族が稲刈りに出ているわずかな時間に赤ちゃんを残して母親だけが消えたという謎だらけの未解決事件。

山野こづえさん行方不明事件の概要

2018年11月3日

2018年11月3日、群馬県吾妻郡東吾妻町。この日は家族みんなで稲刈りをしに、自宅から約2キロ離れた田んぼへ出かけました。こづえさんは生後2ヶ月の娘さんと一緒に家で留守番をしていました。2ヶ月つったら、まだ自分でトイレも食事もできない時代。

失踪当日の出来事

午後1時30分頃に家族が出かけた後、午後1時52分にこづえさんから夫の携帯に電話がかかってきました。

「庭の水が出っぱなしなんだけど大丈夫?」とこづえさんが聞き、夫が「山の水を引いているから大丈夫だよ」と答えました。こづえさんは「そっか、わかった。じゃあ頑張ってね」と言い、電話を切りました。この普通の会話が、夫婦の最後の言葉になりました。

さらに午後4時20分頃まで彼女はLINEで友人と普通にやり取りをしていたのですが、家族が午後5時頃家に戻ると娘さんと畳まれた洗濯物、充電中の携帯電話、財布を残して、こづえさんの姿が消えていました。

こづえさんの特徴

当時27歳で身長159センチ、体重55キロ。肩くらいまでの黒髪で、パーカーに黒のジャージパンツ、紺色のスニーカーを履いていました。顔には顎の中央と左側にいくつかのほくろ。調理師の専門学校を出て免許を取り、エステの勉強もしておりカラオケ好きでした。

家族と警察の捜索

夫はすぐに近所を探しましたが見つからず、警察に届け出ました。その夜に警察犬が出て、翌日から警察と消防の150人体制で山や川などをくまなく捜索。

近所の人の「家族が帰る15分前、自宅から数百メートル離れたところで家と逆の方向に歩くこづえさんを見かけた」なんて話もありましたが、結局手がかりは見つかりませんでした。

現在も続く捜索と公表情報

捜索状況

7年近く経ちますが、こづえさんは現在も行方不明のまま。群馬県警の吾妻警察署が引き続き捜索をしていて、電話番号0279-68-0110に情報提供を呼びかけています。家族は警察と協力し懸命に探し続けていますが、事件の進展は公表されていません。

寄せられた目撃情報

テレビ番組で事件が取り上げられた後「埼玉のカラオケ店でこづえさんに似た女性が数人と一緒にいるのを見た」という話や、秩父のコンビニ店員が「似た人を見かけた」という情報、それに「東京の焼肉店で何回か目撃した」などという証言が寄せられました。

焼肉店では、群馬の名物「みそまんじゅう」の話をしていたそうで。でも、こづえさんには埼玉や東京に親しい人がいなかったので、これらの情報は確かめられず、手がかりにはなりませんでした。

事件は事故か、自ら姿を消したのか

事故の可能性について

事故の線は低いと考えられます。自宅周辺をくまなく捜索しましたが、転落や溺死の跡はなく、警察も事件や事故の形跡を見つけていないので。警察犬が匂いを追えなかったのは車で移動したからかもしれませんが、財布や携帯を置いていくのは不自然ですよね。

山や川も近くにありますが、目撃情報から家を出た後すぐの事故とは考えにくいです。

自ら姿を消した可能性

実際は、こづえさんが自分で家を出た可能性が高いとされています。育児のストレスや産後の不安が積もり、友人のLINE「ゆっくり休んで」がきっかけで衝動的に飛び出したのかもしれません。

解離性遁走の場合、心が現実から逃げる状態が起きやすく記憶が曖昧になることもあります。生後2ヶ月の娘さんを一人残して家を出るという行動は、母親としては非常に不自然ですからね。

着のみ着のままで出たことや、家族の帰宅時間を知っていたのに残らなかった点が、自発的な行動を示しています。協力者がいたら車で連れ去られた線もありますが、痕跡はありません。

山野こづえさんは、現在どうしているんだろう

ネット上では「新しい土地で別の名前を名乗り、ひっそり暮らしている可能性」や、「自分から連絡を取れないほど心理的なダメージを負った状態のままかも」という推測も書かれています。

娘さんはすでに小学生になる年齢。どこかで生きているなら、母と娘が再び向き合える日が来てほしいもの。

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