
大統領と首相の違い。明確な違いは無いっぽいけど、大雑把に言うと共和制のトップが大統領、君主制の指導者が首相。両方いる国は、外交が大統領、内政が首相って感じですか。日本はもちろん王様がいるので、首相がリーダー的な役割です。
最近、ベトナム訪問時に撮影された顔を押しのける映像をきっかけに、フランスのエマニュエル・マクロン大統領とブリジット夫人の関係が再び注目を集めています。2人は教師と生徒という立場だったことで知られていますが、改めてなれそめってどんな感じだったんでしょう。
★ もくじ
ふたりが出会った場所ときっかけ
出会いは高校の演劇部
エマニュエルくん(後の大統領)が15歳のとき、フランス北部のアミアンという町にあるカトリック系の高校に通っていました。ブリジットさんはその学校の国語(フランス語)の先生で、演劇部の顧問もしていました。
文学や演劇が大好きだったエマニュエルくんは、演劇部に入ります。そして劇『ジャックとその主人』で主演を務めることになり、脚本についてブリジット先生に相談するようになりました。
準備のため毎週金曜日に集まって台本を書き直したり、演技の練習をするうちに、だんだんとお互いに特別な気持ちが芽生えていきます。
ただし、ブリジット先生は当時39歳で、すでに結婚し3人の子どもがいました。しかも、長女ローランスさんはエマニュエルくんの同級生。つまり同級生のお母さんに恋したわけです。そういや昔、なんかそんな野球選手もいましたよね。
家族と周囲の反応
最初エマニュエルくんの両親は、息子が恋をしている相手はブリジット先生の娘だと思っていました。しかし相手がブリジット先生だと知って狼狽します。このまま行くと逮捕案件です。両親はブリジット先生に「息子が18歳になるまで会わないでほしい」と頼みました。
その後エマニュエルくんはパリの名門校に転校させられ、ふたりは引き離されます。障害があることでさらに燃え上がったのでしょう、まるで演劇のようです。エマニュエルくんは「必ず戻ってきて、あなたと結婚する」と約束し、手紙や電話で気持ちを伝え続けました。
今のようにWhatsAppもFacebook Messengerも無い時代です。パリとアミアンの距離は車で2時間くらい、電車で1h30くらい。物理的な距離は大したことないですけど「同級生のお母さん」は近くて遠かった。
その後のふたり
結局ブリジットさんは2006年に離婚。翌年、エマニュエル・マクロン氏と結婚しました。マクロン氏は29歳、ブリジット夫人は54歳でした。ふたりは結婚後も、お互いを支え合い、選挙に出馬したときもブリジット夫人はそばでサポートし続けました。
社会的な批判と決断
批判と中傷の嵐
教師と生徒の恋愛は当時のフランス社会でもスキャンダル視されました。ブリジット夫人の元夫アンドレ氏は「妻が生徒と不倫している」と学校に告発します。いや不倫したのは学校ではなくあなたの妻なんですけどね。
ただアンドレ氏は後に「彼らの愛を認めるしかなかった」と回想しています。
社会の変化と2人の勇気
ブリジット夫人が離婚を決意したのは2005年。子どもたちへの影響を最も心配していましたが、長女ローランスは「母の幸せを優先してほしい」と後押ししたと言います。
2007年10月、ル・トゥケの海辺で挙げた結婚式では「普通じゃないカップルだけど受け入れてくれて感謝」とスピーチ。この結婚は、フランス社会の女性観や家族観にも影響を与えました。
陰謀論との戦い
DV騒動
2025年5月に大統領がベトナムを公式訪問した際、政府専用機から降りるときに妻のブリジット夫人がマクロン大統領の顔を手で押す様子が映像に映りました。
この映像がネットなどで拡散され「夫婦げんかダー」「ブリジット夫人がマクロン大統領を平手打ち!?」など、さまざまな憶測が飛び交いました。
記者団に対してマクロン大統領は「妻とは冗談を言い合っていただけだ。それが地球規模の大惨事かのように誇張されている」と説明。つまり、2人はふざけていただけ。大統領府の関係者も「お互いをからかって遊んでいただけ」と話しています。
ブリジット夫人が男だったという陰謀論
ブリジット夫人については「実は男性として生まれた」という全く根拠のない陰謀論がインターネット上で広まりました。この噂は、極右や反ワクチン団体、Qアノンと呼ばれる陰謀論グループなど、マクロン大統領に反対する人々によって拡散。
ネット上ではジャンミシェル・トロニューという名前がトレンドになりました。内容は「ブリジット夫人はジャンミシェルという名前で男性として生まれ、性別を隠している」というもの。
このような噂は、選挙の時期や社会の分断が強まるタイミングで特に広がりやすくなります。2人の年齢差や、教師と生徒として出会ったという特別な関係も、興味本位で話題にされやすい背景なのでしょう。
2人の姿勢
マクロン大統領とブリジット夫人は、こうした噂や陰謀論に対して冷静に対応し、必要な場合は法的措置も辞さない姿勢を見せています。冗談や日常のやりとりを大げさに取り上げる風潮についても、「ナンセンス」として一蹴。冷静に対応し続けています。