
もちろん、このタイトルの「MERCY/マーシー」というのはマサシくんの愛称ではないです。英単語の「mercy」は、基本的に困っている人や罪を犯した人に対して示す「慈悲」「情け」「思いやり」といった意味を持つ名詞。
キリスト教的な現場で使われがちであり、日本語にしにくい性質を持っている感じ。昔の、ゴスペルの影響が強かった時代のR&Bの詞や曲名でよく見かけます。
2026年公開予定のこの映画は、クリス・プラット主演のSFサスペンス。「AI裁判」が人間の生死を左右する近未来を描いた作品です。単なるアクション映画ではなく、AIが司法や政治に踏み込み始めた世界の可能性を見せてくれるようです。
それだけ聞くと怖い気がしますが、人間の検察・警察よりずっとマシじゃないかなーという未来への期待も。
MERCYは、どんな映画?
映画「MERCY(マーシー)」概要
100文字以内で表すと、この映画は「近未来のロサンゼルスを舞台にAIが裁判のすべてを握る世界で殺人容疑をかけられた刑事が、自分の無実を90分以内に証明しなければいけない状況におちいるSFサスペンス」。
監督は「ナイト・ウォッチ」などで知られるティムール・ベクマンベトフ。主演はクリス・プラットとレベッカ・ファーガソンで、2026年1月23日に全米公開が予定されています。
世界観
舞台は2029年のLA(ロサンゼルス)。2026年の公開からわずか3年後ですね。この時代、暴力犯罪が増加していて人間の裁判官に代わり高度な人工知能(AI/ Artificial Intelligence)が裁判官として判決を下す司法システムが作られているという設定。
AIは、膨大な監視カメラの映像やデータベース、通信記録などを一瞬で照合して公平な判断をするとされていますが、その一方で人間が口をはさめないほど強い権限を持っている存在でもあります。
映画は、このAI司法システムが本当に正しいのか、人間の感情や「慈悲(mercy)」はどこへ行ってしまうのか、というテーマを背景に進んでいきます。人を裁くのに感情は必要なのか、って答えの出にくいなかなかに重要なテーマ。
物語のあらすじ
主人公は、クリス・プラット演じる刑事クリストファー・レイヴン。
彼はかつて、このAI司法システムの導入を強く推していた人物なんですが、物語の冒頭で彼は最も重い罪の一つである妻の殺害の容疑をかけられ、信じてきたAI裁判所に被告人として立たされてしまいます。
レベッカ・ファーガソンが演じるのは「マーシー」という名のAI裁判官マドックスで、彼女は感情を持たない論理的な存在として、レイヴンに「90分以内に無実を証明せよ」と冷静に告げます。
レイヴンは限られた時間の中で監視映像や電子データを次々と呼び出し、自分に不利な証拠の矛盾を探しながら真犯人に迫っていくというタイムリミットなサスペンスです。
AI裁判が投げかける「正義」とは
正義を投げかける問いかけ
これは「本当に正しい判断って何?」という問題。レイヴン刑事はパートナーに助けてもらいながら、事件の真相を調べます。妻の死には秘密の関係や大きな陰謀が隠されていて、AIのデータだけでは見えない人間らしい部分が浮かび上がるというわけ。
AIは速くて正確ですが、人間のミスや心の動きを無視して効率を優先すると、正義が冷たく機械的なものになるんじゃないか、と映画は考えさせます。ただAIは、最終的にそういった人間の心理まで処理できそうな勢いですよね。
観客への提示
レイヴン刑事は90分の間に街をカーチェイスしたり、銃撃戦をしたりして証拠を集めます。そうしないと理解できない観客が多いだろうという予想ですね、たぶん。
ただそんな中でも、観てる人は「AI裁判がもたらす未来の正義には、本当に慈悲(MERCY)があるのか」を考えなきゃです。「おもしろかったー」で済ませると、監督はじめスタッフの皆さんは萎えてしまうことでしょう。
主要キャストと監督・スタッフ情報
キャストとスタッフ
主人公の刑事クリストファー・レイヴンを演じるのは「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズなどで知られるクリス・プラット。
AI裁判官マドックス(マーシーの中核となる存在)を演じるのは「DUNE/デューン 砂の惑星」や「ミッション:インポッシブル」シリーズで知られるレベッカ・ファーガソンで、人間離れした知性と冷たさを持つキャラクターとして描かれます。
そのほか、カリ・リーズ、アナベル・ウォーリス、クリス・サリヴァン、カイリー・ロジャース、ケネス・チョイなどが脇を固め、被害者の周辺人物や警察関係者、メディアなどとして物語に関わっていきます。
監督はカザフスタン出身のティムール・ベクマンベトフで「ウォンテッド」や、PC画面だけで物語を見せる『アンフレンデッド』系の“スクリーンライフ”作品など、映像表現に挑戦してきたことで知られる人。
脚本はマルコ・ヴァン・ベルが担当し、プロデューサーには『ダークナイト』三部作を手がけたチャールズ・ローヴェンらが名を連ねており、Amazon MGMスタジオとともに製作が進められました。
映像表現と見どころ
映画では近未来の裁判所が巨大なスクリーンとインターフェースに囲まれた空間として描かれ、レイヴンが身振りや声でデータを呼び出し、その場で証拠映像を編集・検証していく様子が映し出されます。
監督ベクマンベトフが得意とする“スクリーンライフ”的な手法も取り入れられ、観客はAI裁判官と同じように、リアルタイムで情報が更新されていく感覚を味わえる構成になっています。
また本作は3DやIMAXでの上映も予定されていて、より迫力ある没入感を生み出すことが期待されています。
公開情報と評価の声
アメリカでは2026年1月23日に劇場公開される予定。たぶん各国でも2026年1月下旬に公開される予定で、冬期の大型SFスリラーというポジションになるかと。
予告編はすでに公開されていますが「AI社会への警告になりそうだ」という期待の声がある一方で「予告を見る限りではB級っぽい」という知ったかな悪口もあり、公開前から賛否が分かれそうな。
日本公開日はいつ?
映画『MERCY/マーシー AI裁判』の日本公開日
日本公開日は2026年1月23日(金)。日米同時公開です。ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントが、この情報を公式に発表しています。またアマゾンが配給を担当していることから、劇場公開後にPrime Videoで独占配信が行われる可能性もありますね。
なお2023年公開の同名映画があるので、検索するときにはご注意を。
予告編とポスターの情報
予告編は、YouTubeで全世界に公開されました。US版ポスターでは、被告人席に縛られた主人公とAIのマドックスが描かれていて、制限時間や有罪率のカウントが表示されています。



