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飛行機が消失するネバダトライアングルとは?──バミューダなど世界に存在する魔の三角地帯

飛行機が消失するネバダトライアングルとは?──バミューダなど世界に存在する魔の三角地帯

その昔バミューダトライアングルはオカルト扱いされていて、ポジション的には例の雑誌「ムー」に載るような類のネタでしたが、現代では普通にそのほとんどの疑問が科学的に解明されているようですね。

そしてバミューダ以外にも乗り物の事故が集中する地帯があり、そのひとつがネバダトライアングル。実はバミューダトライアングルより航空機事故が多い魔の空域だそうで、60年間で2000機もの飛行機が消えたとのこと。ネバダ州はラスベガスがあるとこですよ。

ちなみにムーの愛読者のことはムー民(むーみん)と呼ぶそうです。まあ仕方ないですね。

ネバダトライアングルとは?

謎に包まれた航空機失踪の謎

ネバダトライアングルは、ラスベガス、リノ(ネバダ州)、フレズノ(カリフォルニア州)の各都市に囲まれた約25,000平方マイル(約6万平方キロメートル)の地域。東京ドーム約128万3,422個分に相当します。

この地域の大部分は険しいシエラネバダ山脈に覆われており、過去60年間に原因不明の航空機の失踪事件が相次いで発生。報告によると、この地域では約2,000機の航空機が消息を絶っており、悪名高いバミューダトライアングルと比較されています。

知名度では、あちらが圧倒的ですけども。

地理的および環境的課題

ネバダトライアングルには、ヨセミテやキングスキャニオン、セコイアなど、アメリカ西部で最もデンジャラスな地形の国立公園を含んでいます。またシエラネバダ山脈は、その標高と予測不可能な気象パターン、強風によって、過酷な飛行条件を生み出します。

なんたって最高峰ホイットニー山の標高は4,418m、我らが富士山を軽く凌駕しますので。ジェット気流は山のくさび形と相互作用し、激しい乱気流、下降気流、急激な気象変化を引き起こします。これが小型航空機を圧倒する要因となるわけです。

航空専門家は、墜落事故の多発はオカルト的な原因ではなく、そのような環境下で飛行するからだと強調しています。

高度では空気が薄いためエンジンの出力と揚力が低下、突然の下降気流は時速400マイル(キロにすると約640km)を超えることもあり、軽飛行機では回復が不可能。乗員はパニック必至です。

注目すべき失踪事件と捜査

ネバダトライアングルに関連する最も有名な事件は、著名な冒険家でパイロットのスティーブ・フォセットが2007年に失踪した事件。フォセットの単発機は離陸後に行方不明となり、捜索の結果1年以上経ってから残骸が発見されました。

国家運輸安全委員会(NTSB)は、墜落の原因を機械の故障ではなく強い下降気流としました。フォセットの捜索中に、これまで発見されていなかった8つの墜落現場が発見され、この深い森と岩だらけの地域で残骸を発見する難しさが改めて認知されました。

1960年代までさかのぼる多くの墜落事故は未解決のままであり、パイロットや乗客の中には行方不明になった人もいます。たぶん、もう土に還ってしまったのでしょう。

陰謀論と代替解釈

わからないものは怪しい存在にしたいのが人間というものなのか、機密扱いの米軍基地エリア51がネバダトライアングルに近いことから、政府の失踪への関与をめぐる憶測が飛び交っています。

その説は、航空機による実験的な妨害から、制限空域に近づきすぎた民間機への意図的な破壊工作まで。しかし気候学者や航空史家はこれらを否定、墜落は自然災害によるものだと主張しています。

砂漠研究所のケリー・レドモンド教授は、シエラネバダ山脈の地形と風のパターンが「飛行機の墓場」を作り出しており、特にこの地域の過酷な環境を航行する経験の浅いパイロットにとってはなおさらだと指摘しています。

なお、エリア51はGoogleマップに表示されません。どんな良からぬものを隠しているのでしょう、ちょっとドキドキします。

世界に存在する「魔の三角地帯」

バミューダトライアングル(北大西洋の魔の三角地帯)

マイアミ、バミューダ、プエルトリコに囲まれたこの地域は、20世紀半ばに不可解な失踪事件が相次ぎ、悪名を馳せるようになりました。マイアミはアメリカフロリダ州、バミューダ諸島は北大西洋のイギリス領、プエルトリコはカリブ海にあるアメリカの自治領の国。

1945年のフライト19号や1963年のSSマリン・サルファー・クイーン号など、50隻以上の船舶と20機以上の航空機が謎の状況下で消息を絶ちました。もちろん現代では、これらは自然現象に起因する事故とされています。

具体的には、磁気異常によるコンパスの読み取り不能、メタンハイドレートの噴出による浮力低下、高さ100フィートを超える突発波などなど。

しかし実際には、ここでの船舶の失踪率は交通量の多い海域における世界平均とほぼ一致していることを米国海洋大気庁(NOAA)が確認しています。

ドラゴン・トライアングル(太平洋の魔の海)

東京の南、日本と小笠原諸島の間に位置するこの活火山地帯では、地震活動が頻繁に発生しています。

チャールズ・ベルリッツが1974年に発表した報告書は、1950年から1954年にかけて9隻の船舶が行方不明になったとか、1955年に日本の海洋調査船「第五開洋丸」が行方不明になったという事実を、広く世間に知らしめました。

ただし、この地域の危険性はバミューダ・トライアングル以上に、地質学的に検証可能。こうした極端な状況のため、日本政府は歴史的にこの地域を海上危険地帯に指定してきました。

アラスカトライアングル

アラスカトライアングルは、アラスカ州のアンカレッジ、ジュノー、ウティアグヴィク(旧バロー)の3つの地点を結ぶ三角形の地域を指します。

この地域では1970年代以降、2万人以上も行方不明となっており、人口1000人あたり年間約4件の行方不明者届が提出されるなど、全米平均の2倍以上の異常な失踪率となっています。

特に1972年に発生した米国下院多数党院内総務ヘイル・ボッグス氏の小型機失踪事件は、軍用機40機と民間機50機が39日間の大規模な捜索を行なったにもかかわらず、機体の残骸すら発見されなかったことで有名になりました。

その後も1950年の44人乗り軍用機失踪や1990年のセスナ機消失など、航空機の不可解な事故が相次いでいます。

航空機事故の原因としては雪深い山岳地帯での墜落と言われていますが、なぜか登山者や住民まで失踪しているため、案の定ミステリー的な噂もありまして。アラスカの未開感がなおさら不気味感を煽ります。

その一つが未確認生物のカワウソ人間「クシュタカ」の存在で、犠牲者を川へ誘導し襲撃するという伝承が現地に残っています。カッパみたいな感じでしょうか、見た目はジャミラみたいですけど。

あと近年では紫色の謎の光線「パープルライト」が撮影され、デジタルカメラの技術的問題と言われつつ超常現象説を支持する声も根強くあります。

さらに1992年の中国地下核実験時の地震波分析で、マッキンリー山南西80km地点の地下から人工的な四角形構造物が検出され「ブラックピラミッド」なるものの影響も噂されます。

そんなこんなで、航空機事故と人間失踪多発に加えてUFOや異常磁場の存在などで、アラスカトライアングルは他と一線を画した魔の三角地帯として注目を集め続けています。最近でも2025年2月に旅客機墜落事故が再び発生しました。

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