Culture News

ローマ教皇の決め方|5分でわかる「コンクラーヴェ」と、枢機卿や教皇の役割

ローマ教皇の決め方|5分でわかる「コンクラーヴェ」と、枢機卿や教皇の役割

教皇選挙とは、次のシングル曲を歌う枢機卿メンバーを選ぶ一種の人気投票で、2018年まで毎年夏に開催されていたイベント。投票は、直前に発売されるシングルCDに封入されている投票券を入手することによって可能となっていました。

なんてことではもちろんなく、全世界のカトリック教会の最高司祭であるローマ教皇を、枢機卿たちによる投票で選出する手続きのことです。このシステムは教会の歴史の中、何世紀もかけて作られました。

ローマ教皇はどうやって決める?コンクラーヴェの仕組みと流れ

コンクラーヴェとは、バチカンの「密室会議」

コンクラーヴェ(Conclave)は、ラテン語で「鍵がかかった部屋」という意味。その名の通りバチカン市国のシスティーナ礼拝堂に枢機卿たちが“缶詰”状態で集まり、外部と完全に遮断された中で教皇を選ぶ一大イベントです。

イベントなので、礼拝堂の周りには焼きそば、たこ焼き、フランクフルト、綿あめなどの屋台が並びます。

教皇が亡くなったり自ら退位した場合、15日から20日以内にコンクラーヴェを開催。世界各国から集まった80歳未満の枢機卿(最大120人ほど)が、秘密投票で新しい教皇を選びます。今回はフランシスコ教皇の崩御にともなう跡目相続の選挙です。

投票の流れと“煙”のサイン

投票は無記名で1日最大4回(午前2回、午後2回)行い、誰かが3分の2以上の得票を得るまで何度も繰り返し投票。決まらない場合は祈りや講話を挟みつつ、最終的には上位2名の決選投票まで続けられます。ホントに根比べって感じです。

そして投票の結果、教皇が決まらなければ黒い煙、決まれば白い煙が煙突から上がります。バチカンの空に白煙が立ち上ると「新しい教皇が決まった!」と世界中が注目する瞬間です。

コンクラーヴェの“密室”ルール

コンクラーヴェ中は、枢機卿たちは外部と一切連絡禁止。当たり前ですがスマホもパソコンも没収。選挙の秘密を守るため、徹底した密室状態をキープしています。

枢機卿とは?どうやって選ばれる?日本人枢機卿も登場

枢機卿の役割と選ばれ方

枢機卿(すうききょう)は、カトリック教会のスーパー幹部。教皇を補佐し、世界中の教会運営にも関わります。教皇選挙で投票できるのも枢機卿だけです。

枢機卿になるには、教皇から直接任命される必要があります。世界中の司教や大司教の中から教皇が選び、枢機卿に任命します。国籍や人種は問わず、近年はアジアやアフリカなど多様な地域からも選ばれています。

日本人枢機卿はどんな人?

2025年現在、日本には2人の枢機卿がいます。

菊地功(きくち☆いさお)枢機卿

1959年生まれ。岩手県宮古市出身で、新潟教区の司教を経て、2017年から東京大司教を務めています。彼は1986年からアフリカのガーナで布教活動を行い、1995年にはコンゴ民主共和国のルワンダ難民キャンプでの支援活動にも従事しました。

前田万葉(まえだ☆まんよう)枢機卿

1949年3月3日、長崎県出身。広島の司教を経て、大阪大司教として活動しています。被爆2世であり、平和運動にも積極的に関与しています。2018年に枢機卿に任命され、カトリック教会の教育やエキュメニズムに関する委員会でも活動しています。

彼らもコンクラーヴェに参加し、世界のカトリックの未来を左右する一票を投じることになります。日本人の教皇が誕生する可能性も、無くはないです。まぁ神のもとでは人種とか何の意味もないですからね。

ローマ教皇とは?カトリックトップの仕事と役割

ローマ教皇の肩書きと仕事

ローマ教皇(Pope)は、カトリック教会の最高指導者。肩書きは「ローマの司教」「イエス・キリストの代理者」「使徒ペトロの後継者」「バチカン市国元首」など。かまいたちの来賓紹介のネタを思い起こします。

教皇は世界中のカトリック信者、約13億人の精神的リーダーであり、信仰だけでなく社会問題や平和、環境問題にも積極的に発言。時には世界の首脳とも会談し、国際社会にも影響力を持ちます。もしかして、層化の故・池田D氏はこのポジ目指してた?

教皇の“日常”と任期

教皇の任期は原則的に終身。ただし健康上の理由などで、辞任することも可能です。最近では2013年にベネディクト16世教皇が自発的に退位したことで話題になりました。

教皇に選ばれた瞬間から、その人が新しい教皇となります。もし選ばれた人が司教でなければ、就任前に司教に叙階されます。

ローマ教皇選挙の歴史と今後の展望

ローマ教皇選挙の起源と歴史的背景

はじまりは、1268年に教皇クレメンス4世が亡くなった後の選挙。このときはイタリア派とフランス派の対立が激しく、3年近くも新しい教皇が決まりませんでした。

そこで業を煮やした地元の人々が枢機卿たちを宮殿に閉じ込め、食事も、バターもジャムもコーヒーも無くパンと水だけにするという厳しい環境を作って、ようやく新しい教皇が選ばれました。

この件をもとに、1274年にグレゴリオ10世が教皇選挙のルールを定めることになります。

これまでのコンクラーヴェの特徴と変化

昔は何年もかかることがありましたが、近年のコンクラーヴェは数日で終わることがほとんど。例えば2013年のフランシスコ教皇選出時は、わずか2日、5回目の投票で決まりました。

またコンクラーヴェに参加できるのは80歳未満の枢機卿に限られますが、教皇になれる年齢に制限はありません。

今後の展望

現在カトリック教会は世界中に広がっており、枢機卿たちの出身地も多様化しています。そのため、次の教皇がどの地域から選ばれるのか、どんな価値観を持つ人が選ばれるのかが注目されています。

ローマ教皇の決め方FAQ

Q1. 教皇は自分から立候補できる?

A. 立候補制ではありません。誰が選ばれるかは、枢機卿たちの投票次第。サプライズ人事もあり。

Q2. 枢機卿以外が教皇になることは?

A. 形式上は、洗礼を受けたカトリック男性なら誰でもなれますが、実際には枢機卿から選ばれるのが通例です。

Q3. コンクラーヴェの期間はどれくらい?

A. 早ければ数日、長ければ数週間。決まるまで何度でも投票が繰り返されます。

Q4. 教皇の名前はどうやって決める?

A. 教皇に選ばれると、自分で新しい“教皇名”を選びます。歴代の聖人や前任者にちなんだ名前が多いです。

-Culture, News
-, , , ,