
奥秩父にある金峰山や瑞牆山に登るとき、一緒に来た人は必ず富士見平小屋で起きた小屋オーナーによるレイプ殺人事件の話をします。あるあるです。1983年、昭和の時代にあった事件なんですけど、ずっと語り継がれている。
こういうのや、あとドラマやゲームや小説の影響で、小さな宿泊施設は油断も隙もないというイメージが付きました。99%以上がまともなところだと思うんですが、切ない話です。てか「ゲストハウス」って何だろう、どんな施設だろう。
事件のあった里庄町のゲストハウスって、どこ?
ゲストハウスの詳しい場所と特徴
所在地は、岡山県里庄町。里庄町は岡山県南西部、人口が約1万1千人ほどの小さな町です。件のゲストハウスは、この町の新庄という地区にあり、一人旅の女性が安心して泊まれる場所として旅行サイトでの評価も高かったみたい。
実際、女性客からの「店主が優しくて安心できました」という口コミがたくさんありました。何ということでしょう。
このゲストハウスの様子
名前は「Cafe&Guest House 凸屋(とつや)」で、武内俊晴という51歳の男が経営していました。後から見ると意味深な名前にも感じられます。
カフェも併設しており、笠岡ラーメンや陶芸体験、茶道などのサービスも提供していました。楽天トラベルやじゃらんなどのサイトで予約でき、外観もきれい。しかし、この場所が事件の舞台になったわけです。
そもそもゲストハウスって何?
ゲストハウスは、バックパッカーや一人旅・長期滞在の旅行者がよく利用する、安く泊まれて共有スペースで人と交流できるタイプの宿泊施設のことらしい。自分でやることが多い代わりに、安くて「人とつながれる」ことを重視するそう。
ただ、武内はつながりの意味を勘違いしていたみたいです。
武内俊晴とはどんな人物なのか
生い立ちと仕事の始まり
詳細な生い立ちは不明ですが、読売新聞によると武内は高校を卒業したあと地元の電子機器製造会社の工場に勤務。 数年前にその仕事を辞め、岡山県里庄町で「Cafe&GuestHouse凸屋」というゲストハウスを始めたという。
もともと車やバイクで旅行するのが趣味で、北海道など遠くまで行っていたそうです。地元メディアの取材では、地域住民とはトラブルが続出していたといった声も報じられる一方で、宿泊客には愛想よく接していたという証言も。
どんな事件だったのか:手口と被害の実態
事件の概要
2018年から2022年にかけて、少なくとも10人の女性宿泊客に対して睡眠薬などの薬物を酒に混ぜて飲ませ、抵抗できない状態にした上で性的暴行を繰り返していました。
さらに浴室の脱衣所にカメラを設置して裸を盗撮するなど、宿泊客の女性を無断で撮影した写真や動画もたくさん見つかっています。これするために開業したんじゃねえかってほどです。
被害者の実態
検察の冒頭陳述では、武内は約20年前に知人から「女性に睡眠作用のある薬物を混ぜた酒を飲ませれば、抵抗されずに性的暴行ができる」と聞き、その方法を実際に試すようになったとする内容も明かされています。まさかオーナーが…って普通は思いますよ。
裁判と判決、今後への影響
裁判での争点
裁判で武内は「犯行当時、黒い影から脅迫され命令されていた」「当時の記憶がない」「心神喪失状態だった」といった主張を繰り返し、無罪を訴えてきました。責任能力があったかどうかが大きな争点となり、検察側と弁護側の意見は鋭く対立。
判決の詳細
2025年9月24日、岡山地方裁判所は「被害者の尊厳を無視した悪質極まりない犯行で、目を背けたくなるおぞましさがある。自らの欲望に従った自己中心的な態度だ」と強く非難。
薬物を使った性的暴行事件に対して厳しい姿勢を示し、懲役26年の実刑判決となりました。
今後の動き
弁護側は控訴する意向を示しており、今後も上級審で争われる可能性がありますが、少なくとも一審段階では武内の責任能力を認め、重い有罪判決が出た形です。
この事件は「一人旅の女性が安心して泊まれる」とされていた小規模宿泊施設で起きたことから、旅行者と宿側の距離感、プライバシー保護、防犯対策など、さまざまな課題を可視化しました。
今後は口コミやソーシャルメディアの評価だけに頼らず、宿選びの際には「スタッフの人数」「運営体制」「部屋の鍵の仕組み」なども含めて、複数の視点から安全性を考えなきゃです。男だから大丈夫なんてこともないですからね。

