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ストーカー規制法違反の罰則は?──池袋ポケモンセンター事件

ストーカー規制法違反の罰則は?──池袋ポケモンセンター事件

この国の制度の無能っぷりが再び露呈いたしました。何と言うか、法律は、ストーカーを罰するんじゃなくて予測される被害者を守るもんじゃなきゃ全然意味ないと思うんです。きっと「自分には関係ないけど世間が騒がしいから作っとくか」って感じでできた法なんでしょうね。

この店、知らなかったけど「ポケモンセンターメガトウキョー&ピカチュウスイーツ」って名前から察するにメルヘンチックでラブリーな施設だったんじゃないんですか。子どもが多く訪れるようなとこじゃないんですか。

事件のせいで休業になってるらしいですが、再開なんてできるのでしょうか。

ストーカー規制法とは何を禁じていて、どんな罰則があるのか

簡単に言うと

ストーカー規制法は、相手を一方的に追い回しておびえさせる行為を止めるための法律。正式名称は「ストーカー行為等の規制等に関する法律」と言って、建前上は警察が早い段階で警告や命令を出し、必要であれば罰則も科して被害者を守ることを目的としています。

でも殺人まで起きちゃったら機能していないということになりますね。

禁じられている「つきまとい等」と「位置情報無承諾取得等」

この法の中心になるのが「つきまとい等」と「ストーカー行為」、そしてスマホの利用を想定した「位置情報無承諾取得等」という考え方です。

つきまとい等とは、しつこく後をつける、家や学校、職場の近くで待ち伏せする、何度も押しかけるといった行動のほか、電話やメール、DMを何度も送りつける行為のこと。

また「殺してやる」と言ったり、車で危険な幅寄せをして威嚇することも、規制法の対象行為とされています。

さらにはネットを利用した嫌がらせ、たとえば誹謗中傷の内容を書き込む、勤務先に電話して嘘の情報を伝えるなど、相手の名誉を傷つけて社会的な評価を下げる行為もこれに該当します。

またGPS機器の普及にともなって「位置情報無承諾取得等」も規制の対象となりました。具体的には、相手の車に無断でGPSを取り付けて移動を追跡する、相手のスマホに追跡アプリを無断でインストールして位置を確認し続ける、といった行為が典型例です。

ストーカー行為と禁止命令違反に対する罰則

まず、禁止命令などが出されていない段階であってもストーカー行為をした者は「1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金」に処せられます。拘禁刑ってのは、これまでの懲役や禁錮を一本化した新しい刑罰の呼び方であり、実際には刑務所などに収容される可能性がある刑罰。

初犯であっても悪質なものは有罪となりますが、実務上は罰金刑や執行猶予付きの判決になるケースも多いとされています。つまり野放しです。

ただし警察本部長などが出す「禁止命令」や「仮の命令」に違反してストーカーを続けた場合、罰則は一段重くなって「2年以下の拘禁刑又は200万円以下の罰金」に。

逮捕されるかどうかは、行為の内容や回数、被害者の恐怖感の程度などによって判断されますが、被害者がどんだけ守られてるのかは不明。

ストーカー規制法ができた後にも続く重大事件

法律施行後も止まらないストーカー殺人事件

日本でストーカー規制法ができたのは、1999年の桶川ストーカー殺人事件から。しかし、その後も警察への相談件数は高止まりしたままで、2020年には2万189件と8年連続で2万件を超える状況が続いています。

相談件数が多いということは、法律があっても多くの人が強い不安や恐怖を感じながら生活してるってこと。同じ年の摘発は985件と過去最高で、住居侵入や脅迫、暴行、器物損壊など、殺人に至る前の段階でさまざまな犯罪が起きていることも明らかになりました。

しかし、現場では「どこからがストーカー行為にあたるのか」「SNSやGPSなど新しい形の悪用をどこまで規制できるのか」といった問題が次々と生まれ、法改正が後追いになっているのが現実。その結果、被害を訴えていたのに守られなかった事件が繰り返されてるわけなんですね。

禁止命令を破って殺人事件に

結局、警察署長から規制法に基づく禁止命令を受けていても、その命令に従わず違反を重ね、さらに被害者が話し合いに応じなかったことに逆上し被害者を刺殺するという事例もあります。そして懲役17年、わずかそれだけの刑期で出てきてしまうのです。

法律はやったことは取り締まれますが、歪んだ感情そのものを消すことはできません。なので一応、近年では禁止命令を出された者に対しカウンセリングを受けさせる取り組みも始まっているようですが、どこまで効果あるのやら。

接近禁止命令と、その期間

禁止命令はどんな内容で、どれくらいの期間続くのか

被害者を守るうえで特に重要なのが「禁止命令」「接近禁止命令」と呼ばれる措置。これは、その名のまんま公安が加害者に対し「これ以上被害者の近くに来てはいけない」「連絡を取ってはいけない」と命じるものです。

警察に相談があり、ストーカー行為が認められそうな場合、まずは警告が出され、それでもやめないと禁止命令に進む、という流れ。

  • 被害者の自宅や勤務先、よく行く場所の周辺に近づかないこと
  • 本人への電話、メール、メッセージ送信、訪問などを一切しないこと
  • 被害者の家族や友人、職場の人を通じて情報を探ったり、圧力をかけたりしないこと

期間については、基本的には一定期間に限って出され、その後も危険が続きそうならば更新されるという仕組み。

具体的な日数は個別の事案で差がありますが、警察としては無期限の命令にすると加害者の権利制限が強くなり過ぎるため、期間を区切った上で状況を見直す形を取っているのが現状です。ただ結局は、この判断が適切にできないから被害者が生まれるのではないかと。

略式起訴とは?

略式起訴と通常の起訴の違い

池袋の事件の報道で引っかかったのが「略式起訴で釈放されていた」という部分。略式起訴ってのは、簡単に言うと「書類審査だけで済ませる簡易な裁判手続き」です。裁判官が書面だけを見て罰金などの刑を言い渡す仕組みで、公開の場で審理が行われるわけではありません。

ストーカー規制法違反の場合も、比較的軽いと判断されれば略式起訴が選ばれます。この場合、被告人が罰金を納めれば刑事手続きは終了。手続きはスピーディーで、被告人は拘束から早く解放されます。

結果として罰金で社会に戻した人物が、その後エスカレートして重大事件を起こすと、なぜ略式にしたのかという悲劇が生じます。

ストーカー事件での課題

初犯で暴力行為が表面化しておらず、反省の弁がある場合などには略式起訴や不起訴が選ばれる例が少なくない。でもストーカー事件は「今が軽いから大丈夫」とは言い切れません。恋愛感情や執着は、時間がたつほど感情がこじれて急激に暴力に転じることがあります。

今回も実際に殺人に至ったわけで。

海外のストーキング対策

海外の制度

多くの欧米諸国では、刑事罰だけでなく被害者保護命令と加害者へのカウンセリングや治療をセットで行う仕組みが重視されています。

日本の場合、実際に課される刑は罰金や執行猶予付きの判決が中心で、長期の拘禁や集中的な治療プログラムに結びつくケースは先進国と比較すると限られている。

罰則の重さだけでは測れない安全

今回の事件をはじめ、これまで繰り返されてきた悲劇を振り返るに、罰則を厳しくすれば全て解決するという単純な話ではないことは明白。

法律運用のタイミングや、警察・検察の危険性評価、裁判後のフォロー、そして被害者が早期に声を上げられる環境など、複数の改正点が必要です。

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