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路上役者、亮佑のプロフィール──夢を追う男の軌跡

路上役者、亮佑のプロフィール──夢を追う男の軌跡

亮佑さんは、路上役者という肩書です。聞き慣れないと言うか初めて聞く人も多いと思いますが、その名の通り路上で一人芝居を披露する役者のことを言います。主に駅前や居酒屋などで活動し、通行人や店のお客さんに向けてパフォーマンスを行なっているとのことです。そこで生まれた疑問

  • 亮佑さんはどんな人?
  • なぜ路上で演技をするの?
  • 生活はどうしているの?

といった内容について調べてみました。彼は路上パフォーマンスを最終目標とせず、舞台俳優として成功するための手段と位置付けています。

路上役者、亮佑さんの素顔と経歴

亮佑さんの生い立ちと芸歴

路上役者の亮佑さんは、1989年横浜市生まれ。野球少年だったこと以外に彼の子ども時代のことはあまり知られていませんが、20歳で役者デビューしたことから役者人生が始まりました。

路上パフォーマンスを始めたきっかけ

NHKの単発ドラマやビールのCMなどに出演していましたが、23歳から25歳にかけてほとんど仕事がなくなります。同時に演技力を磨くため舞台に立っていたのですが、集客にも苦労していました。

そこで集客を増やすための「崖っぷちの最終手段」として路上芝居を始めることにしたのです。亮佑さんは路上芝居について、「路上には、路上でしか味わえない快感がある」と語っており、自身にとって最高のエンターテインメントだと感じています。

亮佑さんの現在の活動

現在も週6日のペースで路上に立ち、一人芝居を続けています。また2024年、所属していた劇団を退団。同年の8月6日には、東京・中野の劇場HOPEで初めて自作の脚本による一人芝居を上演しました。そのような活動が注目を集め、フジテレビの『ザ・ノンフィクション』にも出演。彼の活動は広く認知されつつあります。

路上役者・亮佑さん5つの魅力

演技力と表現力

喜怒哀楽をテーマにしたコメディタッチの一人芝居を得意とし、人生の転換点となるような場面を巧みに演じ分けています。また路上という特殊な環境で通行人の注目を集めることで、その場の観客に合わせて適切な演目を選択し、演じることができます。

観客を魅了する独特の世界観

彼の定義する芝居とは「嘘の濃度が薄い」もの。衝動に従える役者であるために、日常でも芝居でも、なるべく自分に嘘をつかないことを意識していると語っています。

また約60の演目を持っており、その場の観客に合わせて適切な演目を選んでいます。例えば、サイレントひとり芝居『◯◯がめちゃくちゃ欲しい貧乏人』では、パントマイムを駆使して観客の想像力を刺激します。また『絶唱』という舞台公演では、彼が一人で複数の登場人物に立ち替わり成り替わり、さまざまなシチュエーションの一人芝居を展開。『ブラック会社の社員』『母を探す少年』『ストーカー』『スナックのママ』など、多彩な役柄を演じ分けます。

挫折を乗り越える強い精神力

毎日へこたれそうになっていると言いつつ「路上でやっていなければ出会えなかった人たち、自分を応援してくれる人たちに出会える喜びがある」と語っています。

常に進化し続ける探究心

亮佑さんは日々の練習を欠かさず、役作りに多くの時間を費やしています。台本を何度も読み込み「誰よりも時間をかけて、誰よりも非効率に泥臭く役を作って、芝居に作品に向き合っていく」という姿勢を持っています。

ファンとの交流

路上という特殊な環境で芝居をすることで、観客との距離がめちゃ近く直接的なコミュニケーションが可能になります。これによって、亮佑さんの演技は観客の心により深く響くことになります。

路上役者としての苦悩と喜び

路上役者としての苦悩と喜び

収入と生活の工夫

路上芝居だけでなく、舞台公演や「流し」と呼ばれる居酒屋での芝居など、複数の収入源を持っています。さらに舞台がない月は路上や流しの芝居で収入を補っています。月の収入目標を20万円程度に設定し、それを達成することで、ある程度の生活の安定を図っています。

新たな表現方法の模索

即興演技を通じて観客とのインタラクションを意識することで、観客を単なる受け手ではなく演技の一部として表現します。また単なる路上パフォーマンスにとどめず、現代社会の問題やテーマを取り上げ、それを作品に反映させています。

将来への展望と夢の実現に向けて

路上芝居は将来のための手段。将来的には舞台俳優として家族を養えるようになることを目標としています。

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