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若手指揮者、米田覚士氏のプロフィール|通ってきた道と主な活動

若手指揮者、米田覚士氏のプロフィール|通ってきた道と主な活動

米田さんは違いますが、ふと左利きの指揮者はどうしているのかなと調べてみました。

フィンランドのパーヴォ・ベルグルンド(Paavo Berglund)やイギリスのドナルド・ラニクルズ(Donald Runnicles)、オランダのヨハン・デ・メイ(Johan Abraham de Meij)、エストニアのクリスティーナ・ポスカ(Kristiina Poska)などが左手で棒を振る代表的な指揮者として挙げられます。

もちろん彼らは少数派であり、指揮法の教育メソッド自体が右手用に作られているため、左利きでも右手で振ることが常識とされている世界。

演奏者も右手で振る指揮者に慣れているので、左手で指揮されると視覚的に混乱が起こる場合があります。反対に言えば左手に慣れれば問題ないんでしょうけど。

ヨネサトさんとは関係のない余談でした。

米田覚士(よねださとし)さんの基本プロフィール

米田覚士(よねださとし)さんの基本プロフィール
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生い立ちと学歴

米田さんは幼少期からピアノを始め、桃太郎少年合唱団や岡山市ジュニアオーケストラで打楽器も担当しました。その後、岡山城東高校を卒業し、東京藝術大学音楽学部指揮科に進学。2016年に入学し、2020年3月に卒業しています。

ちなみに空気階段の水川かたまりさんや藤井風さんも岡山城東高校の出です。

受賞歴と研鑽

指揮法は小田野宏之さんや高関健さん、ピアノは長瀬賢弘さんに師事。2017年には東京音楽大学特別講座指揮公開マスタークラスオーディションに選出され、世界的指揮者パーヴォ・ヤルヴィ氏のレッスンを受講しています。

2018年度には安宅賞を受賞しました。安宅賞は、東京藝大の成績優秀者に授与される賞です。

代表的な作品と公演

主な活動

2025年、フランスの第59回ブザンソン国際指揮者コンクールで日本人として6年ぶりに優勝し、世界の舞台で高く評価されました。

2023年には読売日本交響楽団と「スペイン奇想曲」(リムスキー=コルサコフ)や「ロメオとジュリエット」(チャイコフスキー)などのロシア名曲を披露。

2020年には渋谷区文化総合センター大和田10周年記念演奏会で「ラプソディ・イン・ブルー」を演奏。また、フジテレビ主催の「シネマティック・オーケストラコンサート」にも出演しました。

東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団との共演で、ドヴォルザークの「スラヴ舞曲集」「チェロ協奏曲」や、ブラームス「交響曲第1番」などを指揮しました。

ほかにもGACKTさんのコンサートでオーケストラを指揮するなど、クラシック以外の舞台にも積極的に参加しています。

ブザンソン国際若手指揮者コンクールとは

概要

ブザンソン国際若手指揮者コンクールは、フランス東部のブザンソンで開催される指揮者の競技会です。1951年にフランスのブザンソン音楽祭の一部として始まりました。

これは若くなきゃ出場もできない舞台であり、35歳以下の指揮者が世界で活躍するための重要な登竜門として世界的に有名なコンクール。1993年からは2年に1度の隔年の開催となっています。

写真を見ただけで緊張しますね。出る側じゃなく観る側でよかった。

コンクールの特徴

このコンクールの大きな特徴は、書類選考や特技披露もなくライブオーディションで候補者を選抜する点。

世界中から参加を希望する若手指揮者は、アジアのソウル(韓国)、北米のモントリオール(カナダ)、ヨーロッパのブザンソンやパリ(フランス)、ベルリン(ドイツ)などで予備選考を行い、その場で交響曲の指揮を披露します。この方法によって、実際の指揮力や音楽性が直接審査されます。

プログラム内容と評価

コンクールのプログラムは、古典派からロマン派、20世紀音楽、現代音楽、オペラ、協奏曲にまで及び、非常に幅広いレパートリーを求められます。これは指揮者としての演奏技術に加え、さまざまな音楽様式を理解し指揮できる総合力が試されることを意味しています。

表彰内容と支援

グランプリには賞金12,000ユーロ(約209万円)、フランスの時計メーカーLIP製の特別な時計、さらに3か月間の専門的な芸術コーチングの支援が与えられます。加えて、コンクールのパートナーであるオーケストラや音楽祭での演奏機会も提供されます。

また、観客による「聴衆賞」、オーケストラメンバーによる「オーケストラ賞」など特別な賞も設けられており、多角的な評価がなされます。賞金自体はやっすいですが、これに付随されるメリットはプライスレスであると言えましょう

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