いや間違いなく減りましたよね、タクシー。特に酒飲みの人は実感しているんじゃないでしょうか。ただ、人間は生きていくうえで酒など飲まなくてもいいけど仕事や病院や大学などへ通うには交通手段が必要じゃないですか。
ところが、ここ数年は町バスなどもじわじわと本数を減らしており、つまり地方都市の足は最終的に徒歩または馬に回帰するんじゃないかレベルです。
原因として、コロナのせいだとか言う人もいますが、タクシーセンターのデータを見ると運転手が2009年あたりをピークにただひたすら減少しています。つまり、コロナじゃなくて高齢化。何といっても高齢化。
しかし有効な解決策のひとつであるライドシェアは、この国では原則禁止されています。これは、自家用車を有料で運送に使用することは道路運送法第78条によって禁止されているためです。法を改正しなきゃダメなんです。
以下、日本のライドシェアについて解説します。
★ もくじ
日本のライドシェアの現状
原則禁止されています。しかし一部の地域では、ライドシェアの実証実験が行われています。
実験が行われている地域は、以下のとおり。
- 東京都港区、渋谷区
- 大阪府大阪市
- 愛知県名古屋市
- 福岡県福岡市
これらの地域では、ライドシェア事業者を登録制にしたり運転者へ安全運転講習を実施したりと、安全対策を講じたうえでライドシェアの実証実験が行われています。
まぁ現時点でも100%安全が保証されている乗り物なんて無いわけなんですけど、とりあえず可能性は潰して反対派をちょっとでもだまらせないとなんですよね。
ライドシェア禁止の理由
日本のライドシェア禁止の理由は、以下のとおりです。
安全性の確保
一般のドライバーが営利目的で乗客を運ぶライドシェアは、運転技術やら酒気帯びやらの安全性が懸念されます。そのため、ドライバーへの安全運転講習や車両の安全基準の整備などの安全対策が求められます。
ただし、タクシー運転手が起こした強制わいせつ事件なんかも決して少なくありません。女性ドライバーによる女性専用車両なんかできれば、少しは親御さんも安心でしょう。
タクシー業界の保護
タクシー業界は、ライドシェアの普及で収益が減少することを恐れています。そのため業界の保護を目的として、ライドシェアの禁止を主張しています。新参者に自分の庭を荒らされたくないという、感情面と実益の面から、現行の法の力を後ろ盾にして拒絶しているのです。
交通政策への影響
ライドシェアが普及すると、公共交通機関の利用が減少する可能性もあります。ただ電車とは完全に棲み分けができているし、もしかしたら市区町村内を走る路線バスなんかは時代に合わず消滅することがあっても、いたしかたないかもしれません。長距離バスなどはサイコロの旅に使われるので必要ですが。
ライドシェアのメリットとデメリット
ライドシェアには、以下のメリットとデメリットがあります。
メリット
- 料金はタクシーのほぼ半額だし、乗車前に払えるからこちらが道知らないのをいいことにボラれる心配がない
- アプリから予約や配車が簡単
- クルマを持たなくていいので、決して安くない維持費もかからない
デメリット
- 安全性が懸念される。ただ高齢のプロドライバーが増えているし、あまりタクシーと大差ない気が
- タクシー業界が打撃を受けるかもしれない
- 電車やバス、駕籠や人力車や馬車など既存の交通にも影響を与える可能性がある
ライドシェアの解禁の可能性
国土交通省は、2023年7月に「ライドシェアの安全性に関する研究会」を設置し研究を進めています。この成果を踏まえて今後、解禁に向けた法整備などが進められていくことでしょう。
まとめ
円安もあって国がどんどん弱体化しているなか、ぜひインバウンドで外貨を獲得したいところ。反対派は安全面がどうのこうの言ってるみたいだけど、現状は人手不足で高齢ドライバーだらけ、さらには白タクがまん延する始末。
ただし、票的な面でタクシー業界に気を使わなきゃならない議員さんを除けば政治家も推進派が多そうなので、あとは我々の世論が後押しできれば、さらに夢に近づくことができますよね。