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ナショナルズの本拠地、ワシントンD.C.における野球事情について簡潔に語る

ナショナルズの本拠地、ワシントンD.C.における野球事情について簡潔に語る

ポリティカル・コレクトネスに関する議論は昔からありましたが、特に2010年代以降はソーシャルメディアの普及と相まって、より活発になりました。

ポリティカル・コレクトネスとは、特定の民族、人種、宗教、性別、職業、年齢などに対する差別的な表現を避け、社会的弱者や少数派に配慮した言葉遣いや態度を心がけること。

その結果、2022年にNFL(アメフト)のワシントン・レッドスキンズはワシントン・コマンダーズに改名しました。同じワシントンDCを本拠地とするチームには、NBA(バスケットボール)のワシントン・ウィザーズとMLB(野球)のワシントン・ナショナルズがあります。

そんな中日ドラゴンズの小笠原慎之介投手が契約を結んだワシントン・ナショナルズについて、本拠地や球団の特徴、歴史、そして過去の名選手たちにスポットを当てて調べてみました。

「ナショナルズ」って、何か言いにくくて言いたくならないですね。

ナショナルズの本拠地、ワシントンD.C.ってどんなところ?

アメリカの政治の中心地で野球を楽しむ

ワシントン・ナショナルズの本拠地は、アメリカ合衆国の首都であるワシントンD.C.です。政治の中心地として知られるこの街で、野球ファンたちは熱狂的な応援を繰り広げています。日本で言えば永田町ですかね。『永田町ナショナルズ』って草野球感しかないですね。

ワシントン・ナショナルズの本拠地球場は「ナショナルズ・パーク」と呼ばれ、2008年オープン。この球場は、ワシントンD.C.の南東区に位置しており、なんと内野席からはU.S. Capitol(合衆国議会議事堂)のドームを眺めることができます。逆に言うと外野席からは見えないっぽい。

ナショナルズ・パークの収容人数は、4万1,339人。現代的な設備が整っていて、快適に試合を楽しむことができます。広々とした座席や大型スクリーンが設置されたビデオボード、子どもたち専用のエリアなど、ファンフレンドリーな工夫がたくさんあります。

また、球場周辺にはレストランやショップが立ち並び、試合の前後も楽しめる環境がバッチリです。

ワシントン・ナショナルズはどんなチーム?

若い球団ながら、急成長を遂げた注目のチーム

ワシントン・ナショナルズの所属は、ナショナルリーグ東地区。歴史的にはそれほど長くなく、2005年にカナダのモントリオール・エクスポズからワシントンD.C.に移転してきたのがナショナルズの始まりです。

チームカラーは赤と白で、これはワシントンD.C.の旗を思わせるカラーリングになっています。

ナショナルズは移転後しばらく苦戦を強いられましたが、徐々に力をつけていきました。そして2019年、ついに悲願のワールドシリーズ制覇を果たします。初めてワールドシリーズの舞台に立ち、そして初優勝。熱い年でした。

ナショナルズの歴史を振り返ってみる

モントリオールからワシントンへ

ナショナルズの前身であるモントリオール・エクスポズは、1969年に創設されました。カナダ・ケベック州モントリオールを本拠地としていた時代、チーム名の由来は1967年にモントリオールで開催された万国博覧会「Expo '67」だったそうです。いや万博て。

そして2005年、チームはアメリカ合衆国の首都ワシントンD.C.に移転し「ワシントン・ナショナルズ」として新たなスタートを切りました。この移転により、MLBでアメリカ国外に拠点を置く球団はトロント・ブルージェイズ(カナダ)だけになりました。

移転当初は苦戦が続きましたが、2008年に新本拠地ナショナルズ・パークが開場、チームの環境は大きく改善されました。しかし成績はなかなか上がらず、2008年と2009年には2年連続で100敗以上を喫する厳しい時期もありました。

そんな中2009年のドラフトで全体1位指名を獲得し、スティーブン・ストラスバーグ選手と契約。これがチームの転機となりました。その後、ブライス・ハーパー選手など若手の台頭もあり、2012年にはポストシーズン進出を果たします。

そして2019年、ついに悲願のワールドシリーズ制覇を達成。エクスポズ時代から数えて50年、ワシントンに移転してから14年目での快挙でした。

ナショナルズを彩った名選手たち

伝説の捕手と現代のスラッガー

ナショナルズ(およびその前身のエクスポズ)に在籍していた選手で特に印象的なのは。

まず、80年代を代表する捕手、ゲイリー・カーター選手。カーター選手は20歳の時エクスポズでメジャーリーグデビューを果たし、捕手としての守備力と打者としての能力を兼ね備えた選手でした。

エクスポズ在籍中の10年間で、2度のMVPと打点王のタイトルを獲得。その後メッツに移籍しましたが、2003年にはエクスポズの殿堂入りを果たしています。

現代の名選手としては、ブライス・ハーパー選手が挙げられます。ハーパー選手は「ナショナルズの顔」と呼ばれるほどの存在感を放っていました。191cmの長身から繰り出される鋭いスイングは圧巻で、1試合3本塁打を達成したこともあります。

シルバースラッガー賞やナ・リーグMVPなど、数々のタイトルを受賞しました。2019年にフィリーズに移籍し、すっかり馴染んでいますが、ナショナルズでの活躍は多くのファンの記憶に残っています。

ナショナルズ・パークの魅力とは?

野球以外のイベントも楽しめる多目的スタジアム

ナショナルズ・パークは、単なる野球場ではありません。さまざまなイベントが開催される多目的スタジアムなんです。2018年には、MLBオールスターゲームの舞台となりました。また、2015年には、NHLの冬の祭典であるウィンタークラシックも開催されています。野球のオフシーズンには、コンサートや他のスポーツイベントが行われることもあります。

球場内には野球に関する展示物やアート作品が展示された博物館もあり、野球の歴史や文化に触れることができます。また、地元の食材を使ったグルメも充実しています。ワシントンD.C.の名物料理を楽しみながら、試合観戦ができるんです。

さらに、環境に配慮した設計も特徴の一つです。省エネ設備や雨水利用システムなど、エコフレンドリーな取り組みが随所に見られます。野球を楽しみながら、環境保護の大切さを学べる場所でもあるんです。

ナショナルズファンにまぎれる方法

首都にビビらないこと

ナショナルズのファンに混ざるには「Nats」(ナッツ)という愛称を覚えておくといいでしょう。試合中、スタジアムに響き渡る「Let's go Nats!」の掛け声に参加すれば、さりげなくファンの顔ができます。

余談ですが、ナショナルズには「レーシング・プレジデンツ」という変な催しがあります。試合の中盤、ジョージ・ワシントン、トーマス・ジェファーソン、エイブラハム・リンカーン、セオドア・ルーズベルトの4人の大統領のマスコットが競争するんです。

大統領をこんな形でイジるなんて、愉快な国ですね。

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