今シーズンは、推しのチームが金魚すくいの網ほどに弱く、ストレスが溜まりまくるのでレギュラーシーズンはもう観ていなかったんです。勝負が最後までわからない、英語で言う "Too close to call" なところがアメフトの大きな魅力のひとつだと思っていたのに。
とは言え、日本に生まれた日本人として、やはりスーパーボウルは見逃すわけにはいきません。
今年もNFLシーズンが佳境を迎え、フィラデルフィア・イーグルスがスーパーボウル進出を決めました。対戦相手は、史上初の3連覇を狙うカンザスシティ・チーフス。
最強の壁に立ち向かうイーグルスの現在の戦力は? 注目選手は誰? そして、チーフスを倒すための秘策とは?
個人的には、テイラーナントカという人が客席で騒いでいるのを見るのが最強に不快なので、そんな理由でフィラデルフィアを応援したいと思います。あの人をガッカリさせたいです。
なお、ハーフタイムショウは3年ぶり2回目のKendrick Lamar(ケンドリック・ラマー)。今回は単独です。
★ もくじ
イーグルス、8年で3度目のスーパーボウル出場
強さのポイントは「ランプレイ」と「鉄壁のディフェンス」
イーグルスが今シーズン、14勝3敗という素晴らしい成績を収めたのには理由があります。それは、圧倒的な「ランプレイ」と「鉄壁のディフェンス」。
まず、ランプレイ。イーグルスのランオフェンスは、リーグ2位の強さ。特に注目したいのが、ランニングバックのセイクワン・バークリー選手です。バークリーは、NFC決勝戦でも大活躍。64ヤードを走り、3回のタッチダウンを決めました。
次に、ディフェンス。イーグルスのディフェンスは、なんとリーグ1位。パスディフェンスでも1位、ランディフェンスでも10位という、まさに鉄壁の守りを誇ります。スポーツに限りませんが、結局ディフェンスが強いのが最強なんですよね。孫子まじリスペクトっす。
注目選手その1:AJブラウン選手の驚異的な成績
さらに、イーグルスの攻撃の要として、絶対に外せないのがワイドレシーバーのAJブラウン選手です。ブラウンの今シーズンの成績を見てみると、その凄さがよくわかります。
レシーブ数は87回。レシーブヤードは1,496ヤード。これは、NFLのレシーブヤードランキングで4位という素晴らしい成績です。しかも、2年連続で1,400ヤード超えを達成しているんです。
さらに、レシービングタッチダウンは11回。この活躍が認められて、2年連続でプロボウルに選出されました。オールプロセカンドチームにも選ばれています。
ブラウンの存在感は、チームメイトからも高く評価されています。QB(クオーターバック)のジェイレン・ハーツ選手は、「AJがいるだけで、フィールドの様子が変わる」と語っています。何か特殊なオーラが出ているのかと思われます。
注目選手その2:ザック・バウン選手、ディフェンスの要
イーグルスのディフェンスで、今季ブレイクしたのがラインバッカーのザック・バウン選手です。バウンは、今年の年間最優秀選手のファイナリストにも選ばれた注目株。
バウンの特徴は、スピードを活かしたプレイ。フィールドの端から端まで素早く動き回り、相手の攻撃を阻止します。タックルの確実性も高く、タイトエンドをしっかりマークする能力も持っています。
さらに、ブリッツでクオーターバックにプレッシャーをかけることもできる、まさに多才な選手なのであります。
2024年シーズンの成績を見てみましょう。タックル数は159回。これは、チームトップの成績で、NFL全体でも5位にランクインしています。サック数は6.5回、インターセプトは1回、フォースドファンブルは2回を記録しました。
特に注目したいのが、フォースドファンブル(ファンブルを強制すること)の多さ。バウンは、シーズンを通じて5回のフォースドファンブルを記録しました。
チーフスとの対決、勝利のカギは
オフェンスラインの底力
イーグルスの強さの根幹にあるのが、NFLでも最強と言われるオフェンスライン。このオフェンスラインの力が、ランプレイの強さやパスプロテクションの長さにつながっています。
特筆すべきは、第4クォーターまでスタミナが持続する驚異的な駆動力。これが、試合終盤まで安定したプレーを可能にしているんです。
イーグルスのオフェンスラインは、空母みたいな感じ。そこから、さまざまな「戦闘機」(つまり、ランナーやレシーバー)が飛び立っていくイメージです。
このオフェンスラインの力を最大限に活かせるかどうかが、チーフスとの対決での勝利のカギになるでしょう。チーフスの強力なディフェンスを相手に、どれだけ時間をかけて着実に前進できるか。そこにイーグルスの勝機がある。
バークリー選手の爆発力
上でも触れましたが、ランニングバックのセイクワン・バークリー選手の存在は大。バークリーはNFC決勝戦で64ヤードを走り、3回のタッチダウンを決めました。この爆発力がチーフス戦でも発揮されれば、テイラーナントカをガッカリさせられるはずです。
バークリーの特徴は、短距離走者並みのスピードと、重量挙げ選手並みのパワーを併せ持つこと。この特異な能力によりディフェンスラインを突破し、大きなゲインを稼ぐことができるわけ。
チーフスのディフェンスは確かに強力ですが、バークリーのような多才な選手を完全に抑え込むのは難しいでしょう。バークリーの活躍次第で、試合の流れが大きく変わる可能性があります。前の日はよく食べてグッスリ眠ってほしいです。
ザック・バウン選手の奮闘
ディフェンス面では、ザック・バウン選手の奮闘に期待がかかります。バウンは、先ほど紹介したようにタックル、サック、インターセプト、フォースドファンブルとさまざまな形で相手の攻撃を阻止できる男。
特に、チーフスのパトリック・マホームズ選手のような天才クオーターバックを相手にする場合、バウンのようなオールラウンドな選手の存在が重要になってきます。
パスを狙うマホームズに対しては、素早くプレッシャーをかけること。ランプレイに対しては、確実なタックルで止めること。そして何より、ターンオーバー(ボールの攻守交代)を奪うこと。これらすべてを、バウンは一人でこなせますから。
チームワークの力
ただまぁ、何と言っても最大の強みはイーグルスの強固なチームワーク。オフェンス、ディフェンス、スペシャルチーム、それぞれが高いレベルでプレイし、お互いをサポートし合っています。悪口やケンカもありません。
当たり前だけど、オフェンスが長く時間を使ってプレイすれば、ディフェンスが十分休める。逆に、ディフェンスが相手の攻撃を素早く止めれば、オフェンスに多くの攻撃機会を与えることができる。
このバランスの取れたチームプレイが、チーフスという強敵を相手に勝利するための重要な要素です。個々の選手の能力はもちろん大切ですが、それ以上に「チーム」としての強さが試されるのが、このスーパーボウル。つっても全部のチームスポーツがそうなんですけど。
ぜひチーフスの3連覇の夢を打ち砕き、テイラーナントカを落胆させてほしいものです。試合は、2025年2月10日の8:00AM(現地時間の2月9日、日曜夜)。