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終末時計は、くだらないのか──89秒後に世界が終わるだと?

終末時計は、くだらないのか──89秒後に世界が終わるだと?

タロットだのパワーストーンだのフラワーエッセンスだの幽霊だの、スピリチュアル界隈のものは大半が胡散臭いので、終末時計もその類かと思っていたけど、どうなんでしょう。

毎年のように危機を煽っているけど本当に信じていいのか。そもそも、誰がその時間を決めているのか。そして我々はどれくらいマジメに受け止めるべきなのか。

今回は、終末時計についてちょっと掘り下げてみました。「くだらない」と思っている人も、「怖い」と思っている人も、ちょっとだけ覗いてみませんか。

なおミッシェル・ガン・エレファントは、世界の終わりは恐れるべきものではなく、静かに、時には希望を持って待つべきものだと歌っています。

終末時計って、そもそも何なの?

科学者たちの警告ベル?それとも大人のおもちゃ?

終末時計は、1947年にアメリカの科学誌「Bulletin of the Atomic Scientists(原子力科学者会報)」が作った象徽的な時計。最初は核戦争の危険性に怯えて始まったんですが、今では気候変動や人工知能の脅威まで含めて、人類滅亡の危険度を示しています。

実際には時計と言っても時計じゃなく、危機を煽るため科学者たちの「ヤバイよヤバイよ」という叫び声を時間に置き換えたもの。午前0時が人類滅亡のタイミングで、そこまでの残り時間を毎年発表しています。

2025年1月28日の発表では、残り時間が89秒になりました。これは過去最短です。ちなみに、この時計が一番安全だと思われていた1991年には、残り時間が17分もありました。

誰がその時間を決めているの?

天才科学者たちの秘密の会議?それとも単なるおじさんたちのお茶会?

終末時計の時刻を決めているのは「原子力科学者会報」の科学・安全保障委員会というグループです。ノーベル賞受賞者を含む世界中の専門家たちが、毎年世界の状況を分析して、時計の針をどう動かすか決めています。

アインシュタイン博士やオッペンハイマー博士といった、原子爆弾の開発に関わった科学者たちが始めたこの取り組み。今でも、物理学者、気候科学者、核の専門家、生物学者など、さまざまな分野の頭脳が集まって議論しています。

ただ正直なところ、この時計の針を動かすのに本当に科学的な方法があるわけではありません。「今年はちょっとヤバそうだよね」「うん、そうだね。じゃあ1分進めようか」みたいな雰囲気で決まっているかもしれない。

なぜいつも「危機」と言っているのに、我々はまだここにいるの?

科学者たちの大げさな警告?それとも私たちの運のよさ?

終末時計は1947年の登場以来、ずっと「危機!危機!」と叫び続けています。それなのに、私たちはまだここにいます。

結局はこれ、科学者たちがみんなに危機感を持ってほしいということ。「このまま行くとマズいよ!」って警告することで、政治家や一般の人々に行動を起こしてほしい、と。

つまり、終末時計は「予言」ではなく「警告」。「このままじゃヤバいよ!」って叫び続けることで、実際の終末を回避しようとしているわけです。

結局、終末時計が「危機!」と叫び続けているからこそ、私たちはまだここにいられるとも言えなくもない。

本当に信じていいの?それとも単なる恐怖商法?

科学的根拠?それともただの思い込み?

結局、終末時計を「くだらない」と思う人の多くは、科学的なのか否かに焦点を当てているのかと。

実際、終末時計の時刻設定には明確な数学的モデルがあるわけではなく、世界中の頭いい人たちが議論して決めているとはいえ、結局は彼らの「感覚」に基づいているもの。

カナダの物理学者ローレンス・クラウス氏は「終末時計は、科学的な指標というより政治的な声明だ」と批判しています。「残り89秒」という数字に、厳密な科学的根拠があるわけではないので。

ただ複雑な世界情勢をバカにもわかりやすいようにするため「時間」という形で表現しているものなんで、一種のコミュニケーションツールだと思えば、そんなムキになることじゃないですよね。

どの程度心配する必要があるの?

パニックになるべき?それとも無視していい?

正直なとこ「残り89秒」だからって、1分半で地球が滅亡するわけではありません。終末時計はあくまで象徽的なもの。

でも終末時計が指し示す問題「核戦争の脅威、気候変動、人工知能の進歩」は、未来に大きな影響を与える可能性があります。なので終末時計を「考えるきっかけ」として捉え「自分にできることはないか?」と、ちょっと考えてみる。

例えば気候変動。エアコンの設定温度を1度変えるだけでも、ちょっとした貢献になります。

結局、終末時計は私たちが「考えて行動する」ためのもの。そう考えると終末時計って、そんなにくだらないものでもないかもしれないな、と。

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