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郵便局長会とは?──全国約2万4000局の郵便局網を仕切る組織

郵便局長会とは?──全国約2万4000局の郵便局網を仕切る組織

郵政民営化が実施されたのは、2007年。郵便局って当時からコンビニ大手セブンイレブンの倍近い数があったようですが、今もほとんど減っていません。微減です。おにぎりもビールも置いてないのに。

で、その運営を支えているのが「郵便局長会」という組織。いま自民党の議員連盟が郵便局網への年間650億円規模の財政支援を検討しているというニュースが話題になっていますが、また政治の絡む◯◯会が見つかりました。さて、どんな組織なのでしょう。

郵便局長会って何?

70年以上の歴史を持つ、郵便局長の集まり

正式名称は「全国郵便局長会」。1953年に設立され、実に70年以上の歴史がある任意団体です。

全国郵便局長会の下には地方郵便局長会、地区郵便局長会、さらに多くの部会が連なっていて、私的な団体ながら各地区グループに対応した「地区会」を有し、地域グループの役員が局長会の役員を兼ねるなど公私の境界が曖昧で、きな臭い面もあります。

主な活動は、郵便局間の情報共有や連携の促進、サービス品質向上のための政府や日本郵便株式会社等への提案や働きかけという微妙なもの。

一応、地域の特性を活かした独自の取り組み、例えば老人の見守りサービス、地方公共団体との連携による行政サービスの提供、防災活動、観光振興、移住定住の促進なども行なっていると言いますが、正直ほかで対応できるものばかりな気もします。

郵便局の数は減らせない? 全国約2万4000局の郵便局網の現状

法律で守られた郵便局網

実は、この郵便局の数には理由がありまして。日本郵便株式会社法という法律で「日本郵便株式会社は、あまねく全国において利用されることを旨として郵便局を設置しなければならない」と定められています。

つまり、法律で「全国あちこちに郵便局を置きなさい」って言われているわけです。

郵便物の数は年々減っており、2001年度には262億通あった郵便物が2023年度には136億通まで半減しているにも関わらずです。年賀状もお中元お歳暮も手紙も、みんな代わりのものがあるし。ただ詐欺で使われる「料金未納」のお知らせは郵便による連絡が必至ですが。

郵便局の数は減少傾向、でも地域によって事情はさまざま

2007年10月1日には24,116局あった郵便局が、2024年3月末には23,512局に。ゆっくりですが、確実に数は減っています。

ただ過疎化が進む地域で他の公共サービスや民間企業が撤退する中で、郵便局は唯一の公的機関のような存在として残り続けることが多いいようで、つまり結局は民営化しないほうがよかったんじゃ?って感じがするんですけど。

郵便局の家賃収入|意外と知られていない収入源

郵便局の建物、実は個人所有のものも

実は、郵便局の建物には国や日本郵便が所有しているものと、個人が所有しているものがあります。

個人所有の郵便局、これが「特定郵便局」と呼ばれるもの。特定郵便局の局長は、自分の土地や建物を郵便局として貸し出しています。つまり、郵便局長が家主さんでもあるわけです。ここに、数がなかなか減らない原因があるような。

家賃収入の実態、局によってピンキリ

では、特定郵便局の家賃収入はどのくらいなのでしょうか?

過去の報道などを見ると、場所や規模によってかなり差があるっぽい。都市部の大きな郵便局なら、月に数百万円の家賃収入があるという話もあるし、一方で田舎の小さな郵便局だと月数万円程度のところも。

ただ、これはあくまで推測の域。正確な数字は公表されていないので、実態はベールに包まれたままです。怪しさの一因です。

郵便局網への財政支援、その背景にあるもの

なぜ650億円もの支援が必要なのか

冒頭で触れた650億円の財政支援。必要な理由は、もちろん郵便局の経営が厳しいから。郵便物の減少、人口減少、そして地方の過疎化。これらの要因が重なって、この先もジリ貧必至。いよいよなところまでくれば、統合は免れないと思いますよ。

郵便局網を守ることの意味

「単に郵便サービスを扱う場所ではない、特に地方では郵便局が地域のコミュニティの中心になっていることも多い」なんて言いますが、それを税金使って支援することは違う気が。郵便局の在り方、役割について、社会の変化に合わせた議論が必要じゃないですかね。

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