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カナダ新首相|マーク・カーニーの経歴から見る7つの顔

カナダ新首相|マーク・カーニーの経歴から見る7つの顔

高橋是清さんと高橋茂雄さんに血縁関係は無いし、大谷亮平さんと大谷翔平選手も、ショーン・コネリーとジェニファー・コネリーも関係ないのと同様、あの世界的なコンサルティングファーム、A.T.カーニーの創業者アンドリュー・トーマス・カーニーとマーク・カーニー新首相だって何ら関係ありません。

そのカナダ新首相マーク・カーニー氏は、元中央銀行総裁で世界的な金融のエキスパート。つっても、そんな肩書きだけでは語り尽くせない多彩な顔を持っています。

ハーバード大学出身のエリートでありながら、アイスホッケーが得意な庶民派。環境問題にも熱心で、国連の特使も務めました。そんなカーニー氏について、これまでの経歴を掘り下げてみました。

マーク・カーニー、カナダの奥地で生まれた金融界の巨人

北西準州フォートスミスから世界へ

マーク・カーニー氏は、1965年3月16日、カナダの北西準州フォートスミスで生まれました。クソど田舎の大自然に囲まれた北極圏に近い小さな町です。

その後、父親がアルバータ大学の教育史教授に就任したことがきっかけで、カナダ6番目の大都市であるアルバータ州エドモントンへ。

カーニー氏はハーバード大学に進学し、そこで経済学の学士号を取得しました。さらに学びを深めるため、イギリスのオックスフォード大学に留学。修士号と博士号を手に入れます。この留学経験が、後にイングランド銀行の総裁になる伏線?

ゴールドマン・サックスでの華々しい経歴

学業を終えたカーニー氏は、世界的な投資銀行ゴールドマン・サックスに入社。ロンドン、東京、ニューヨーク、トロントと、世界の金融の中心地を渡り歩きました。東京にいたのは90年代なので、コギャル文化とか知ってるかもしれません。

13年間の在籍中、頭角を現し、トロントを拠点とする投資銀行部門のマネージング・ディレクターにまで上り詰めました。

中央銀行総裁としての輝かしい実績

カナダ銀行での危機対応

2008年、カーニー氏はカナダ銀行の総裁に就任。2008年と言ったら、リーマン・ショックによる世界金融危機の真っただ中。しかし、カーニー氏はカナダ経済を他国よりも早く回復させることに成功しました。

イングランド銀行での歴史的な就任

カーニー氏の手腕は国際的に高く評価され、2013年にはイングランド銀行の総裁に抜擢。これは、1694年の創立以来初めての外国人総裁でした。1694年は、五代将軍綱吉の元禄時代です。

イギリスではブレグジット(EU離脱)という難題に直面しましたが、その対応でも高い評価を得ています。

環境問題への取り組みと国際的な活動

国連特使としての活躍

中央銀行総裁を退任後は、国連の気候変動対策と金融担当の特使に就任。気候変動対策と金融界をつなぐ重要な役割を果たしました。環境問題に対する深い理解と金融界での経験を生かし、持続可能な開発に向けた取り組みを推進しています。

ブルックフィールド・アセット・マネジメントでの活動

カーニー氏は、ブルックフィールド・アセット・マネジメントの会長兼インパクト投資部門の責任者も務めました。ブルックフィールド・アセット・マネジメントは、トロントに本社を置く世界有数のオルタナティブ資産運用会社です。

不動産、再生可能エネルギー、インフラ、プライベートエクイティなどの分野に約1兆ドル規模の資産を運用し、長期的な投資戦略を展開しています。このへんになると、彼の経歴は眩しすぎて何だか訳わかんなくなってきます。

政界進出への道のり

トルドー首相への助言者として

カーニー氏はCOVID-19パンデミックの際、前任ジャスティン・トルドー首相の助言者として活躍。これが政界への本格的な進出のきっかけとなったようです。経済専門家としての知見を政策立案に活かす機会となりました。

自由党党首選での圧勝

2025年、カーニー氏は自由党の党首選に出馬。85.9%という圧倒的な支持を得て勝利しました。これにより、カナダの次期首相となる道が開かれました。

政治経験がないにもかかわらず、これほどの支持を集めたのは、その強烈な経歴からくる経済的な知見と国際的な経験が評価されたためでしょう。

ちなみに自由党ってのは現在の与党で、保守党が野党第一党。その他、新民主党、ケベック州独立派、緑の党が議会に議席を持っています。

カナダの政治は伝統的に自由党と保守党の二大政党制が中心ですが、多文化主義や地域主義が影響し小政党も一定の役割を果たしています。

トランプ大統領との対決姿勢

関税問題への強硬な態度

カーニー氏は、ドナルド・トランプ米大統領が課した関税に対してもビビらずに対抗姿勢を示しています。「アメリカ人が私たちに敬意を示すまで、関税を維持する」と宣言。カナダの利益を守るため、毅然とした態度で臨む姿勢が見られます。

カナダのアイデンティティを守る決意

トランプ大統領の「カナダをアメリカの51番目の州にする」というイカれた発言に対し、カーニー氏は強く反発。「カナダは決してアメリカの一部にはならない」と断言し、カナダの独自性とアイデンティティを守る決意を示しています。

カナダはメープルシロップとオーロラだけじゃないんです。

アイスホッケー選手としての顔

アイスホッケー

実はハーバード大学在学中、カーニー氏ったらアイスホッケーのバックアップゴールキーパーとして活躍していました。チームワークの重要性や、プレッシャーの中で冷静に判断する能力を培うのと同時に相当モテたんじゃないでしょうか。スキがありません。

カナダ人らしい趣味

アイスホッケーは多くのカナダ人に愛されるスポーツです。日本で言えば相撲でしょうか。スポーツマンでエリート銀行家とか、ちゃんと水を1日2lとか飲んでそう。

家族と個人的な背景

国際色豊かな家庭環境

カーニー氏は1990年代半ばに結婚しており、妻はイギリス出身の経済学者ダイアナさんです。彼女は第三世界の発展問題に詳しいエコノミストとして知られています。

夫妻には4人の娘がおり、イングランド銀行総裁になる以前は、家族とともにカナダのオタワで生活していました。

多重国籍から単一国籍へ

カーニー氏は、カナダ、イギリス、アイルランドの3か国の市民権を持っていましたが、政治的な配慮から、この先はカナダの市民権のみを保持するようです。これは、カナダの首相としての役割に専念する意思の表れと思われます。

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