
バフェットさんが所持する銘柄のポートフォリオって、アップルとバンク・オブ・アメリカ、アメックス、コカコーラの4社で7割を占めちゃうんですよね、知ってましたか。なんか投資世界の奥深さを感じます。
そのコカコーラの本社があるのがジョージア州アトランタ。ここをを中心とした都市圏人口は約610万人で、南東部の経済・文化の中心地です。1996年、そんなとこでオリンピックを開催してる最中に、爆破事件が起きました。
現場はセンテニアル・オリンピック公園で、東京にたとえると駒沢オリンピック公園で爆破事件が起きるようなものでしょうか。身近なものに置き換えると実感がともなって震えます。
犯人は元軍人で、5年間も逃亡を続けました。
★ もくじ
アトランタオリンピック爆破事件の概要
事件の発生場所と日時
アトランタオリンピック爆破事件は、1996年7月27日、アメリカのジョージア州アトランタで開催されていた第26回夏季オリンピックの会場近く、センテニアル・オリンピック公園で発生。アトランタは柔道の野村選手とかマラソンの有森選手が出てた大会です。
この公園は、オリンピックの公式イベントやコンサートが行われるデカい広場でした。競技の会場が狙われたわけではないので、被害者は一般人。
事件の内容
事件が起きたのは、大会7日目の深夜1時20分ごろ。ステージでは、地元ジョージアのバンド「ジャック・マック&ザ・ハートアタック」のパフォーマンス中でした。
屋外コンサート会場のベンチの下に置かれた不審物を、警備員のリチャード・ジュエルが発見。すぐに警察へ通報して観客の避難誘導が行われましたが、その直後に釘が仕込まれたパイプ爆弾が爆発しました。
被害の状況
爆発によって、1人の女性が爆弾の釘による頭部外傷で死亡。さらにもう1人、男性カメラマンが心臓発作で亡くなりました。
負傷者は111人にのぼり、現場は大混乱。多くの負傷者は爆発から30分以内に近くの病院へ搬送され、緊急手術を受けた人もいましたが、迅速な対応によって多くの命が救われています。
リチャード・ジュエルの冤罪と社会への影響
警備員のリチャード・ジュエルは、爆発物を発見して多くの人命を救ったのに事件直後は容疑者として疑われ、報道機関によって犯人扱いされました。後に無実が証明され、FBIも公式に関与を否定しましたが。
法執行官に憧れる正義感の強い人物で、かつ目立たない存在だったことが「孤独なテロリスト像」に当てはめられたらしいです。あと、太ってました。
なお、この話はクリント・イーストウッド監督で映画化されてます。イーストウッド監督の映画ってハズレがないですよね。
爆破事件の犯人、エリック・ルドルフの正体
エリック・ルドルフ(Eric Robert Rudolph)
1966年生まれのアメリカ人。元陸軍兵士であり、爆弾の扱いには長けています。事件当時は29歳でしたが、そろそろ60歳。
逃亡と逮捕
爆破事件後、ルドルフはジョージア州のほかアラバマ州でも爆弾事件を起こし、合計4件の爆破事件を引き起こしました。しかし、その後は5年もFBIの捜査から逃れ、ノースカロライナ州の山中に潜伏し続けました。
しかし2003年5月31日にノースカロライナの田舎町でゴミ箱をあさっていたところを警察官に発見され、ついに逮捕。
犯行の動機
ルドルフは、アメリカ政府が認める中絶や同性愛を「腐った物質主義」や「自己中心的な社会の象徴」と考え、過激な思想に基づいて爆破事件を起こしました。いやでも、あちこち爆破すればそれらを正せると思ってたってこと?ちょっと意味不明。
裁判とその後
2005年、ルドルフは連邦裁判所で4件の爆破事件について有罪を認め、死刑を免れる代わりに仮釈放なしの終身刑(4回分)を言い渡されました。現在もコロラド州の刑務所で服役しています。
ジョージアはがっつり死刑が残っている数少ない州のひとつですが、仮釈なしの終身刑って実質死刑ですよね。
事件が残した社会的影響と現代への教訓
安全対策の見直し
1972年ミュンヘン五輪の「黒い九月事件」以来の、このテロ事件で、あらためて世界中の大規模イベントでの警備体制や危機管理が大きく見直されることに。特にオリンピックなど国際的なイベントで強化が進められました。
メディアと世論の暴走
ただマジメに警備してただけのリチャード・ジュエルさんが爆弾犯として疑われ、メディアによる実名報道や連日の報道で名誉やプライバシーを奪われてしまいました。
後に彼の無実は証明されましたが、このことは報道のあり方や、情報の扱い方に大きな問題を投げかけることになります。
特に現代のネット社会では、根拠のない情報やうわさが一気に広がるため、本当に正しい情報かどうかを自分で考える力が大切なんだけど……実際には同じようなことが繰り返されてますね、あいかわらず。