「世界野球プレミア12強化試合 日本×チェコ共和国」の放送が決定しました。歴史的に見ればチェコはサッカーの方がイメージはありますが、野球強豪国として知られる日本との対戦に多くの野球ファンが注目しています。
- チェコって野球が強いの?世界ランキングはどのくらい?
- 日本代表との実力差は?
- チェコ代表の注目選手や監督は?
今回は、これらの疑問について調べてみました。意外と知られていないチェコ野球の魅力について教えてさしあげます。
★ もくじ
チェコ野球ランキング15位の実力とは
ヨーロッパ野球界での位置付け
チェコは、ヨーロッパ野球界では中堅として位置づけられています。弱くはないが強くもないって感じ。ヨーロッパ、というか太平洋沿いにある国以外では野球はマイナースポーツですが、チェコは比較的早くから野球に手を出し、発展させてきました。
まぁヨーロッパの野球強豪国であるオランダやイタリアには及びませんが、チェコは着実に野球の普及とレベルの向上に取り組んでおり、ヨーロッパの野球界で一定の存在感を示しています。今後さらなる発展が期待される国の一つと言えるでしょう。
世界ランキング上昇の要因
チェコの世界ランキングは、過去10年間で25位前後から2023年には14位まで上昇。要因としては、2005年以降の積極的な国際大会への参加やユース世代の育成強化、球場などのインフラ整備などがあげられます。高齢化の進む日本は、いつか抜かれるかもしれません。
日本との実力差
もちろん現時点では、大きな実力差が存在します。2007年の北京オリンピック・プレ大会では2-3の接戦を演じましたが、2015年の21Uワールドカップでは0-15で5回コールド負け。2023年のWBCでも日本に大差で敗れました。
まだ歴史や競技人口、プロリーグの有無など、あらゆる面で日本とは大きな開きがありますが、将来性豊かな選手も多く、その差は徐々に縮まりつつあると言えるでしょう。
チェコ野球の注目選手と監督
多彩な職業を持つ選手たち
チェコにはプロチームが無く、つまり野球だけで生活していける環境が無いため、国外のプロチームに所属する選手を除いて全員が兼業、つまりアマチュアです。たとえば2023年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場したチェコ代表チームの選手たちの職業を見ると。
- プラスチック製品販売会社の営業マン(キャッチャーのチェルベンカ選手)
- 電気技師(先発ピッチャーのサトリア選手)
- 球場のグラウンドキーパー兼コーチ(ファーストのムジーク選手)
- 世界4大会計事務所のひとつ「KPMG」社の監査役(サードのスモラ選手)
その他にも、チーム内にはショートストップのV・メンシク選手やセンターのフルプ選手など大学に通いながら野球を続けている選手も。
エリック・ソガード選手
ソガード選手は大学時代からアメリカでプレーし、メジャーリーグでは通算815試合に出場。2022年にはアメリカのシングルAで俊足打者として活躍しました。
なお眼鏡をかけたままプレーすることから、一部のファンに「オタク・パワー」というニックネームで親しまれています。
マルティン・シュナイダー選手
1986年生まれの38歳で、身長188cm、体重84kgの右投右打の投手兼遊撃手。2023年のWBC本戦でもチェコ代表として出場し、オーストラリア戦に先発して5回2/3を1失点に抑える好投を披露しました。
なおシュナイダー選手は、普段は消防士として働いています。24時間勤務、48時間休養のシフトで働いているため、3日に1回は野球の練習を休まなければならないというハードな中で野球を続けているという偉い人。
パベル・ハジム監督の指導哲学
パベル・ハジム監督は神経科医としての経歴を持ちながら、長年にわたりボランティアで野球の指導に携わってきたという変わった人。
彼の指導哲学は、野球を単なる勝負やビジネスとしてではなく「世界を救い、笑顔をもたらす力がある」ものとして捉えているということ。それ言ったらなんでもそうだという感じがしますが、要は社会的・精神的な価値を重視しているということなのでしょう。
んで、チェコってどんな国?
地理
チェコは中央ヨーロッパにある内陸国で人口は1000万ほど、大きさは日本の約5分の1くらい。よく「日本は四季がある」とドヤる人がいますが、チェコだって大陸性気候に分類されて四季がはっきりしています。夏は比較的温暖で30度近くまでになることもありますが、日本と違い湿度が低く過ごしやすいです。うらやましいです。
歴史と文化
チェコの歴史は複雑で、約900年にわたりドイツの支配下にありました。ただ、その間もヨーロッパの政治・経済・文化の中心地として繁栄していて、1989年のビロード革命で共産主義体制が崩壊、民主主義国家となりました。昔はソ連の仲間で社会主義国だったんです。2005年にEUに加盟しました。
また、10世紀から20世紀までの建物が今でも健康で、多くが世界遺産に登録されています。それから機械や輸送機器、化学製品などを輸出する工業国でもあります。あと、小洒落たバーなんかに置いてあるピルスナーもチェコのビール。
偉い人では、遺伝の法則を発見したグレゴール・ヨハン・メンデル、ソフトコンタクトレンズの素材を開発したオットー・ヴィフテルレなんかがチェコの人です。