
我が国でも行方不明者は年間8万人以上いるらしいですよ。その中には未解決の松岡伸矢くんとか石井舞さんとか千田麻未さんとか、それぞれ一発変換できるくらい有名になった人も。
なお、台湾では「紅い服の少女」という話が語り継がれています。この都市伝説は、1998年に発生したとされる事件をきっかけに広まりました。これは実話?それとも単なるフィクション?台湾で起こる神隠しとの関係や、この話の元ネタについて調べてみました。
台湾の山間部で失踪事件が多発する背景には、古代から伝わる妖怪や都市伝説が絡んでいるとされています。「紅い服の少女」の正体や、その背後にある文化的な背景を見ていきます。
★ もくじ
台湾の「紅い服の少女」とは?
伝説の背景と影響
1998年、台湾の心霊番組『神出鬼没』に投稿された一本のホームビデオが社会現象を巻き起こします。
ハイキング中の家族を撮影した映像には、後方に紅い民族服を着た少女が不自然に映り込んでおり、この事件をきっかけに「紅い服の少女」伝説が広く知られるようになりました。
さらに奇妙なことに、この動画が公開された後この家族の一人が突然亡くなるという不可解な事態が発生したらしく人々を恐怖に陥れました。
この紅い衣装をまとった少女、身長約140センチの小柄な体に老婆のような顔を持ち、肌は青みがかった灰色、眼球全体が紺色の単色で覆われていて、この世のものとは思えない異様な存在感を醸し出しています。実物見たら普通に泣きます。
伝説の民俗学的背景
台湾の民俗学者たちは、これを古来から伝わる妖怪「魔神仔(モーシンナア)」と解釈しています。魔神仔は山に棲んでいるとされ、子どものような姿をしながら紅い衣装や紅い体の一部を持つ精霊的存在。
人を山中に誘い込んで幻覚を見せたり、突然姿を消したりする習性が伝承されており、実際に2014年には80歳の女性が「紅い服の少女に連れられた」と証言する失踪事件が発生しています。
ただ、この伝説は時代とともに変化していて、もともと台湾の民間信仰に根差した存在だった魔神仔が現代では「紅い服の少女」として都市伝説化、新しい解釈を加えられながら広まっているという。
例えば日本に伝播する過程では水辺の妖怪「水鬼」の要素やドアをノックする行動が追加されるなど、地域ごとの民間伝承が混ざり合っています。つまり伝言ゲーム的な。
文化現象としての広がり
この伝説は2015年にホラー映画『紅衣小女孩』として映像化され、台湾映画史上稀に見る大ヒットを記録しました。監督のチェン・ウェイハオ(程偉豪)は、この怪異を「都市生活者の心の闇が具現化したもの」と解釈し、伝承の現代的再解釈で表現しています。
現在でも台湾では、山道で紅い物を見かけると不吉な前兆とされるなど人々の生活に深く浸透した存在。山に紅い花なんかいっぱい咲いてますけどね。
「紅い服の少女」は実話なのか?元ネタと文化的背景
社会的・文化的背景
映画では、魔神仔伝説に加えて台湾社会の「女児差別」という暗部も描かれています。紅い服の少女は、男尊女卑の風習で間引かれた女児の怨霊として解釈されることもあり「愛されたかった」というモチーフが繰り返し登場。
チェン・ウェイハオ監督は、こうした伝承と現代社会の心理的闇を融合させ、単なるホラーとしてではなく台湾のアイデンティティを問う作品に昇華させました。
映像と現実の境界
元のビデオは検索しても出てこないし、当時の番組のキャプチャ画像を見ても少女がなんか作り物みたいなんだけど、映画を通じ「紅い服の少女」は台湾の文化的シンボルとして定着しました。実在の有無よりも、台湾の民間信仰を可視化した点が重要だったっぽいです。
つまり、あくまで伝説。我々にとってのトイレの花子さんや口裂け女、きさらぎ駅、鮫島事件、死体洗いのアルバイトと同列の類かと言ったら怒られますかね。
台湾で起こる神隠しとは?背景にある現象と信仰
頻発する失踪事件
ただ、台湾では毎年春から夏にかけて山中で高齢者や子どもが行方不明になる事件が多発しているようです。これらは単なる遭難事故ではなく、「霊的存在による誘拐」とされるケースもあります。特に「紅い服」を身につけた存在との遭遇談は後を絶ちません。
でも、もし警察に「霊の仕業ですね」なんて言われたって納得いきませんよね。身内がいなくなってるのにそんなんで片付けられたらキレますよね。
結界と霊的存在
台湾北部では「結界」という概念が根強く信じられており、これを越えると異界へ迷い込むと考えられています。このような信仰が「紅い服の少女」や神隠し現象への恐怖心を増幅させていると言えるでしょう。