
ノルウェー王女が霊媒師デュレク・ヴェレット氏と結婚し、王女(Prinsesse)の称号を商業利用に使われていると批判されています。
別に悪いことではないし、むしろおめでたいことなのですが、この王女と霊媒師の結婚には世界中の多くの無関係の人たちが「いやいやいや」という思いをたぶん抱いています。さらに、称号の利用が批判される背景には王室という伝統と現代的な価値観の衝突があります。
- そもそも、なんで王女が霊媒師と結婚?
- 「王女」の称号を商業利用することの何が問題なの?
- デュレク・ヴェレットさんってどんな経歴の持ち主?というか何者?
そんな疑問について調べてみました。
この情報を知れば、現代の王室の在り方について考えるきっかけとなることでしょう。少々大げさですが。
★ もくじ
ノルウェー王女の夫となるまで
霊媒師デュレク・ヴェレットの生い立ち
1974年11月17日、カリフォルニア州サンフランシスコ・ベイエリアの町フォスターシティで、デレク・デビッド・ヴェレットとして生まれました。両親は彼が2歳の時に離婚、3歳の時に父親が再婚します。
高校を中退した後はダンサー、モデル、テレビタレント、詩人、振付師など華麗に転身しまくり。2014年には出生名のデレク・デビッド・ヴェレットから「デュレク・ヴェレット」に微妙な改名を行います。
インタビューによっても周囲の人たちの談話によっても違うので、幼少時の詳細は実際いまいちよくわかっていないようです。
スピリチュアル活動への目覚め
彼は子どもの頃からスピリチュアルな洞察や体験をしてきたと言います。27歳のときに「シャーマンになるための通過儀礼」として、極めて重要な臨死体験をしたと主張していますが、この体験談の詳細も、時間の経過とともに変化しています。
まぁそんな感じで、多くのオブザーバーやメディアは彼のスピリチュアルな主張の正当性を疑問視しているようです。
ちなみにシャーマンというのは、神霊や祖霊と直接に接触・交渉し、占いや予言、治病などの呪術や宗教的職能を行う人物のこと。
著書やセミナーで築いたキャリア
著書
スピリチュアルな生き方と自己啓発について書かれた『スピリット・ハッキング』ですが、さまざまな疑似科学的な内容で物議をかもし、大きな反発を受けています。
ノルウェーのメディアは、同書を独創性のない「オルタナティブ・カルチャーの最もシニカルな部分の標準的なレパートリーの焼き直し」と評し、結局この本はノルウェーのマイナーな出版社から出版されました。
セミナーとセッション
ヴェレット氏は自身のウェブサイトで1,500ドルのヴァーチャル・プライベート・セッションを販売したり、リアルの場で「霊と話す」といったテーマのクラス提供を通し、自分の教えが「何千人もの人々に影響を与えた」と主張しています。
彼の香ばしい主張の一部
- 気軽なセックスは女性の身体に影響を与える地底の霊を引き寄せる
- 子どもがガンになるのは、それを望んでいるから
- 化学療法は効果がなく、利益のためだけに行われている
- 原子を回転させて、文字通り人の年齢を下げることができる
著名人とのつながり
彼は自らを「スターのシャーマン」と位置づけており、ニーナ・ドブレフやグウィネス・パルトロウのような有名人と仕事をしたことがあると主張しています。その真偽は不明ですが、ノルウェーのメルタ・ルイーズ王女との関係はがガチであり、各国のメディアでも大きな注目を集めました。
批判と論争
ヴェレット氏の経歴は、世間的には、かなり疑わしく怪しく不信感に満ちています。イスラエルのシャミール医療センターで働いていたという彼の主張も病院によって否定されており、メディアなどから詐欺師とか陰謀論者とか言いたい放題言われています。さらに元パートナーからはDVの告発も受けており、2024年にはデイビッド・アイク(イギリスの著述家、陰謀論者)やアレックス・ジョーンズ(アメリカを代表する陰謀論者)といった人たちとともに、「有名な陰謀論者20人」の1人に見事選ばれました。
本人は、そんな風評にはお構いなくプロフィールを維持し、シャーマンやスピリチュアルガイドとしてのサービスを提供し続けています。
ノルウェー王女との出会いと交際
ノルウェーのマータ・ルイーズ王女と自称シャーマンのアメリカ人デュレク・ヴェレット氏は、2018年に共通の友人であるウェルネス起業家ミラナ・スノウさんを通じて会いました。
その後2019年から交際をはじめ、2022年に婚約を発表。そして、2024年8月31日ノルウェー西部のガイランゲルにあるホテルでプライベートな式を挙げて結婚しました。式にはノルウェー王室のハラルド王とソニア王妃をはじめ、他のヨーロッパの王族や有名人が出席したとのこと。まぁつまり、各国が認めているということ。
ただ、この2人の関係はノルウェー国内で議論の対象となっています。ヴェレット氏が神秘的な力を持っているとほざいて主張しているため、彼をペテン師とみなす者たちがいる一方、興味をそそられている者も。いずれにしても、2人が商業的事業と王女の王族としてのアイデンティティを絡めていることが批判にさらされており、それが王族と国民との間に緊張を招いているのです。
霊媒師としての経歴
ハリウッドでの活動開始
彼の活動はハリウッドでも一部で注目を集めており、一部のセレブリティから支持を得ています。一部の。彼は「6代目のシャーマン」やら「エネルギー活性化者」とかいう肩書きを持ち、グウィネス・パルトロウやアントニオ・バンデラスなどの著名人(つまり超富裕)を顧客にしています。
本人は、精霊と交信したり古代の薬を操れると言い張り、特に「重いエネルギーや呪文、暗闇」を防ぐメダルを持っていると語っています。メダルということはゲームの中にいる感覚なのかもしれません。
無料ならまだしも、彼のスピリチュアルアドバイザリーサービスはお金が発生しているわけで、書籍の執筆や有名人を含む顧客からの料金収入があると見られています。
グウィネス・パルトロウとの仕事
女優グウィネス・パルトロウは、ヴェレット氏の最も有名な顧客の1人。彼らの共同作業に関する具体的な詳細は不明ですが、彼女はヴェレット氏について肯定的に語っているようです。ただヴェレット氏は彼女のことをソウルシスターとまで呼んでいますが、結婚式には出席しておらず。
パルトロウさん、出てきたときは本当にキレイでしたが、近影を見ると塩分を取り過ぎたような顔に見えます。クリス・マーティンとの破局も、ヴェレット氏のスピリチュアルに遠因があるのかないのか。
なおグウィネス・パルトロウの「Goop」という会社は、健康、美容、ファッション、家庭用品に重点を置いた製品とサービスを提供するモダンなライフスタイル・ブランド。当初は彼女の家族や友人に対し、健康に関するアドバイスやレシピ、旅行のおすすめを共有するニュースレターとして始まったとのことですが、2008年に法人化したGoopの評価額は、今では約2億5,000万ドルに成長しています。
ただ予想どおり疑似科学的(インチキっぽい)な商品も多く、根拠のない健康効果を主張したとして法的調査を受けています。
「シャーマン」としての地位確立
デュレク・ヴェレット氏は、摩訶不思議な主張をテレビやソーシャルメディアなどのメディアを通して広めていくことで、自称シャーマンとしての地位を確立しました。
- 自分の見解を宣伝する「スピリット・ハッキング」という本の出版
- マーサ・ルイーズ王女とツアーやワークショップを開催
- 有名人とのコラボ
ノルウェーという国について
ノルウェーは、豊かな自然と高い生活水準と、ガチガチに強い社会福祉制度で知られるスカンディナヴィアの国です。'60年代にノルウェーの西にある北海(North Seaであって「道」の字は付かない)で石油とガスが見つかり経済は劇的に成長、裕福な国になりました。
幸福度
それだけでなく、いつも幸福度が上位にランク付けされています。お金があって、さらに幸福なのです。この幸福度は、一人当たりのGDPの高さ、強力な社会的支援、腐敗の少なさ、自由な社会など、いいことばかりな要素が寄与しているとされています。
安全面
犯罪率が低く、法制度が整備されていることに加えて社会的信頼も厚い。そんなわけで2024年の経済平和研究所による世界の治安ランキングに、1位のシンガポール、2位のアイスランドに次いで3位に堂々ランクインをはたしています。
福祉制度
医療や教育は、無料。手厚い失業手当や年金など包括的な社会福祉制度が整っています。これらは高い税金でまかなわれているものの、国民に高い生活水準を提供しています。なので国民の貯金額がめちゃ少ないという話を聞いたことがあります。
このように、ノルウェーは生活の質や政治的安定、社会的平等、そして環境の持続可能性に対する取り組みにおいて、国際的に高く評価されています。
ただし、2011年に1人の極右思想の男が連続テロを起こしたあの有名な事件もノルウェーが舞台です。