「スマートシティ」なんていう仮称で噂になっていたトヨタの実験都市の存在。
その後、具体的な話を聞いていなかったので、テケテケや鮫島事件のように半ば都市伝説と化していましたが、ついにCES(毎年1月にラスベガスで開催される先端テクノロジー見本市)で、そのベールを脱ぎました。
2025年秋から実証実験が始まるこの街「ウーブンシティ」に、どうやったら住めるのでしょう?この記事では、ウーブンシティに住むための条件や、入居までの道のりを紹介します。
富士山麓のトヨタが描く未来の街で、最先端技術に囲まれながら暮らすチャンスを逃さないよう、今からしっかり準備しましょう。もしかしたら、世界でいち早く「もしもボックス」や「タイムふろしき」「石ころぼうし」なんかを体験できるかもしれません。
★ もくじ
ウーブンシティって何?知っておきたい3つの特徴
最新技術の実証実験を行う街
トヨタが「モビリティのテストコース」と呼ぶこの街は、未来の技術やサービスを実際の生活の中で試す場所。政府の「検討していく」「慎重な議論」といった、遅々として進まない法整備にシビレを切らして計画されたものと思われます。
この街では、自動運転車や空飛ぶクルマ、介護ロボットなど、まだ世の中に出回っていない最新技術が当たり前のように使われることでしょう。このような新しい技術を日常生活で使いながら、その良さや改善点を開発者に伝える役割を担います。
ここに住むことで、未来を作る一員となるわけです。
環境に配慮した持続可能な都市設計
街中の交通手段は、すべて低排出またはゼロエミッションを目指しています。これは、電気自動車や燃料電池車、自転車などが中心になるということ。
また建物は、主にカーボンニュートラルな木材で作られ、太陽光発電パネルが設置され、燃料電池発電を含むインフラが地下に配置されるなど、グリーンビルディング協会が認める最高ランクの環境性能を達成しているそうです。
さらには「自動運転車専用道路」「歩行者とパーソナルモビリティ用の道路」「歩行者専用の公園内歩道」という3層構造の道路設計が網目状に織り込まれる予定。
自然と調和しながら、最先端の技術を楽しめる。そんな理想の暮らしがあります。
多様な人々が集まるコミュニティ
ウーブンシティには、さまざまな背景を持つ人々が集まります。トヨタの従業員やその家族、ペットはもちろん、定年を迎えた人、小売店の店主、科学者、起業家、研究者など、幅広い生物が住むことになります。反社会的勢力の一員などはいません。
こんな多様な人々が集まれば、きっと面白い交流が生まれるはず。新しいアイデアや発見が、日々の会話から生まれるかもしれません。
ウーブンシティに住むための5つの条件
1. トヨタグループとの関わり
ウーブンシティに住むための第一の条件は、トヨタグループとの関わり。まずは、トヨタの従業員やその家族が入居の優先対象となるでしょう。その他、トヨタのパートナー企業で働いている人や、トヨタと共同研究をしている研究者なども入居の可能性があります。
さらに、もし今現在はトヨタとの関わりがなくても、将来的にトヨタと協力できるような技術や知識を持っていればチャンスが広がるかもしれません。過去にトヨタの採用試験に落ちた人だとしても。
2. 実証実験への積極的な参加意欲
ウーブンシティは、新しい技術やサービスを試す場所。そのため、住民には実証実験に積極的に参加する意欲が求められます。例えば、新しい自動運転車を日常的に使ってみたり、AIアシスタントと会話をしたり、最新のエネルギー管理システムを家で試したり。
こういった新しい体験を楽しみ、その感想や改善点を開発者に伝える役割が期待されているんです。つまり、好奇心旺盛で新しいものに抵抗がない人が向いているといえるでしょう。ガチガチの現金派や保険証は紙に戻せ派は厳しいですね。
3. プライバシーへの理解
ウーブンシティでの生活は、ある意味でガラス張りになります。新技術の実証実験のために、日々の行動データが収集されたり、カメラやセンサーで街全体が監視されたりする可能性があります。
もちろん、個人情報の保護には最大限の配慮がされるはずですが、普通の街よりも多くのデータが集められることは間違いありません。
このような環境で暮らすことに抵抗がない人や、むしろそれを面白いと感じられる人、将来悪いことをする予定が無い人が、ウーブンシティの住民に適しているでしょう。
4. コミュニティへの貢献意識
ウーブンシティは、単なる住宅地ではなく、一つの大きなコミュニティ。そのため、住民には地域への貢献意識が求められます。例えば、地域のイベントに積極的に参加したり、他の住民と協力して街の問題解決に取り組んだり。
また、自分の専門知識や経験を活かして、街の発展に貢献することも期待されるでしょう。つまり、個人の生活だけでなく、コミュニティ全体のことを考えられる人が求められているんです。
おそらくですが、悪い意味での村社会にはならないと思われます。
5. 長期的な居住の意思
ウーブンシティでの実証実験は、短期間で終わるものではありません。長期的な視点で街全体の発展を見守り、その過程に参加することが求められます。そのため、数年単位で腰を据えて住む意思がある人が望ましいでしょう。
もちろん、最初から永住を決める必要はありませんが、少なくとも数年は継続して住み、街の変化を体験し、その成果を社会に還元する意識が大切です。
入居までの道のり:4つのステップ
Step 1: 情報収集と自己分析
まだ入居者の選考基準や過程など具体的な要項などは公式に発表されていません。
そのためウーブンシティへの入居を目指すなら、まずは今から徹底的な情報収集から始めましょう。トヨタの公式ニュース、関連する記事などを丹念に読み込み、ウーブンシティの理念や目的、求められる人材像をしっかり理解することが大切です。
同時に、自分自身のスキルや経験、興味関心を分析してみましょう。ウーブンシティが目指す未来社会に、あなたはどのように貢献できるでしょうか?自分の強みや、ウーブンシティで実現したいことを明確にすることで、次のステップに進む準備が整います。
中途半端な姿勢では、街に失礼です。
Step 2: ネットワーキングと関係構築
ウーブンシティへの入居は、公募で簡単に応募できるものではありません。そのため、トヨタグループや関連企業とのネットワークを築くことが重要になってきます。
例えば、トヨタが主催するイベントや講演会に参加したり、トヨタの従業員や研究者とSNSでつながったりすることから始めてみましょう。
また、ウーブンシティに関連する技術分野(自動運転、AI、再生可能エネルギーなど)の勉強会や研究会に参加するのも良いアイデアです。こうした活動を通じて、トヨタの人々と知り合い、あなたの熱意や能力をアピールする機会を作りましょう。
Step 3: プロジェクトへの参加や提案
ウーブンシティに直接関わるチャンスを探しましょう。トヨタが公開している実証実験プロジェクトがあれば、積極的に参加を申し込んでみてください。また、自分のアイデアや専門知識を活かした新しいプロジェクトを提案するのも良いでしょう。
例えば、ウーブンシティでの生活をより豊かにするアプリケーションを開発したり、環境負荷を減らす新しい生活様式を提案したりするなど。こうした活動を通じて、トヨタの関係者にあなたの価値を認めてもらうことが、入居への近道となるかもしれません。
Step 4: 正式な応募と面接
ウーブンシティへの入居者募集が正式に始まったら、すぐに応募できるよう準備をしておきましょう。応募書類には自分のスキルや経験はもちろん、ウーブンシティでどのように貢献したいか、どんな未来を描いているかをしっかりと書き込むことが大切です。
ウーブンシティへの入居は、決して簡単なことではありません。しかし、未来を創る一員となるチャンスは、努力する価値が十分にあるはずです。今日から準備を始めれば、あなたも近い将来、富士山を望む未来都市で暮らせるかもしれませんぜ。
Toyota Woven Cityという名前の意味
Woven Cityという名前は、トヨタの歴史、街のデザイン、そして未来のコネクテッド技術を織り込んだ多層的な意味を持っています。
- 「Woven」は「織り込まれた」という意味で、トヨタの祖業である自動織機に由来しています
- 街を通る道が網の目のように織り込まれたデザインを表現しています
- インターネットでつながれた街全体を表現しており、World Wide Web(WWW)の「web」(蜘蛛の巣)にもつながっています
- 3種類の道(車両専用、歩行者とパーソナルモビリティ共存、歩行者専用)が網の目のように織り込まれる姿を表しています