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ボストンで起きた「Craigslist殺人事件」とは?──ジュリッサを殺したのは医学生だった

ボストンで起きた「Craigslist殺人事件」とは?──ジュリッサを殺したのは医学生だった

地域情報サイトであるクレイグスリストは、一応日本でも展開していますが東名阪の板以外は過疎ってるっぽい。日本だとどちらかというとジモティーの方が強いようです。

でも、なんかジモティーって名前がダサいというか口に出したくない単語って感じがして、存在は知ってても利用したことないんですけど、世間的には人気があるようですね。会員登録総数は約1500万、アプリの総ダウンロード数は約1700万回だそうです。

ジモティーも一般人同士がやり取りするサイトなんで、ヤフオクやメルカリ同様たまに詐欺などあるようなんですが、殺人まで起きるクレイグスリストはさすがにアメリカだな。と思ったけど、そういえば日本だってツイッターやインスタで殺人事件が起きてましたね。

Craigslist殺人事件の概要

ジュリッサが発見される

2009年4月14日、ボストンのマリオットコプリープレイス・ホテルでニューヨーク出身の若いモデル、ジュリッサ・ブリスマンが何者かに3発の銃撃を受け殺害されているのが発見されました。

彼女は、Craigslist(クレイグスリスト)でマッサージのサービスを提供していました。

警察の調べによると、ジュリッサは「アンディ」という名前の男性とクレイグスリストを通じてコンタクトを取っており、ホテルで会う約束をしていたとのこと。彼女が殺害された日、ホテルの防犯カメラには背の高い金髪の男が映っていました。

メールで犯人特定

警察は、ジュリッサとやり取りしていた「アンディ」のメールアドレスから送信元を特定。そして、そのIPアドレスから犯人の住所を突き止めることに成功しました。

その結果、フィリップ・マーコフという名前の医学生が浮かび上がってきたのです。なぜメールなんていう簡単に足がつく方法を使ったのか。人を殺める人間の思考回路は複雑です。

事件の真相:明らかになった事実

容疑者の正体:二重生活を送る医学生

警察の捜査により、フィリップ・マーコフの素性が明らかになっていきます。彼は23歳で、ボストン大学に通う優秀な医学生。ジュリッサがクレイグスリストに出していた広告を通じて連絡を取り、顧客のフリをしてマッサージを予約、彼女と会いました。

彼は婚約者もいながら、クレイグスリストを利用して、ジュリッサだけでなく複数の女性たちと接触。強盗や暴行を繰り返していた外道でした。

マーコフが関与していたとされる3件の事件

  • トリシャ・レフラー(エスコート嬢)は、2009年4月10日、ボストンのウェスティンコプリープレイス・ホテルで縛られ、猿ぐつわをかまされ、銃で脅されて強盗に遭った
  • マッサージサービスを提供するオンライン広告を掲載していたジュリッサ・ブリスマンは、2009年4月14日にボストンのコプリーマリオット・ホテルで死亡しているのが発見された
  • シンシア・メルトン(ラップダンスサービスを提供するエキゾチックダンサー)は、2009年4月16日にロードアイランド州ワーウィックのホリデイ・イン・エクスプレスで強盗未遂の被害者となった

逮捕から最期まで

2009年4月20日、マーコフはあっさり逮捕されます。彼の部屋からは、犯行に使われたと思われる銃や被害者から奪った品物や、偽造運転免許証なども見つかりました。

さらにメールや携帯電話基地局の痕跡、監視カメラの映像などもあり、これらの証拠からマーコフが「Craigslist(クレイグスリスト)殺人事件」の犯人であることがほぼ確実となります。

しかし逮捕から約1年後の2010年8月15日、予定されていた裁判のわずか数か月前にマーコフは刑務所の独房で自殺しているのが発見されたのでした。

彼はペンと金属片で作ったナイフで足首、脚、首の動脈を切ったうえ、トイレットペーパーを飲み込み、ガーゼでビニール袋を頭から締めていました。さらに、独房の壁に元婚約者の名前とお互いの愛称を血で書いており、2人の写真が散乱していたそうです。

彼の死によって、事件の全容を知ることはできなくなってしまいます。ちなみに彼は、すべての容疑について無実を主張していました。

マーコフはクレイグスリストの広告を通じて被害者を狙う手法から、メディアに「クレイグスリスト・キラー」というひねりのないそのまんまの名前で呼ばれました。

Craigslist(クレイグスリスト)とは?

その誕生とポジション

クレイグスリストは、1995年にクレイグ・ニューマークによって創設された、アメリカ発祥の巨大なオンラインコミュニティ掲示板サービスです。95年てWindows95が誕生した年です。今から30年前です。クレイグ・ニューマークのリストだからクレイグスリスト。

見た目は一瞬90年代にタイムスリップしたかのような非常にシンプルですが、なんと月間のページビューが20億を超えるほどの人気を誇っています

当初はサンフランシスコの周辺のみで始まりましたが、現在では世界中の都市でローカライズされ利用されています。特にアメリカで普及しており、何か欲しいものがあれば、まずクレイグスリストをチェックするのが常識。

特徴など

このプラットフォームは個人間取引のための「売ります買います掲示板」として機能しており、求人情報から不動産、日用品、自動車パーツに至るまで、ありとあらゆる商品やサービスの売買や情報交換が行われています。

最大の特徴は、その幅広い取引対象と基本的に無料で利用できること。主に匿名での取引を基本としており、今どきのソーシャルメディアのように直接メッセージを送る機能や「いいね」ボタンなどといったコミュニケーション的な要素は一切ありません。

また決済代行や配送サービスも提供していないため、取引はユーザー同士で直接行うことが一般的。業者を介さない直接取引により、売り手にとっては高く売れ、買い手にとっては安く買えるという点が大きな魅力だと言えるでしょう。

便利さの裏に潜む危険

もちろん、このオープンな性質が犯罪者に悪用される危険性もはらんでいます。ただ、何を使ってもどこにいても悪いやつはいて、被害をこうむる可能性はあるので、自分で気をつけてしっかりヘルメットをかぶるべき。

その後

社会的影響

この事件により、オンラインプラットフォームに対する監視が強化され、2010年にはクレイグスリストでアダルトサービスのセクションが閉鎖されることになりました。

また、オンライン取引のリスクと見知らぬ人と会うときの安全対策の重要性についての議論も全米で巻き起こりました。

レガシー

マーコフの、医学生としての見てくれと犯罪行為が際立って対照的であったため、加害者の心理的複雑さが改めて強調されています。メンタルヘルス、社会的圧力、デジタルプラットフォームの倫理的責任とか、あらゆるジャンルで反響を呼びました。

見るからに悪そうなヤツは本能で警戒しますけど、いい人を装う悪人が一番怖いのです

映画化

この事件をもとにしたテレビ映画「クレイグスリスト・キラー」は、Netflixで観ることができます。

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