
同性婚が認められていなかったり同姓婚が強要されたり。人権に関するそれについては、なかなか前に進まないですね。
大河ドラマなんかだと子どもが結婚させられる場面がよく出てきて、この国でもほんの数百年前は普通のことでした。というか昭和のはじめまでそんな感じですよね。これ「普通のこと」という感覚が根にあって、現代においては外の自由な世界を知らないがゆえの習慣かと。
そんなわけで、どの国で児童婚は多いのか。なぜ法律があっても止まらないのか。そして当事者の女の子たちには何が起きているのでしょうか、ちょっとだけ調べてみた。
児童婚とは──18歳未満の結婚が持つ重さ
定義と世界の現状、6億4000万人という数字の意味
「児童婚」とは、配偶者の一方または両方が18歳未満で結婚すること、あるいはそれに相当する状態。まあ当然ですが本人が望まない強制結婚のケースも多く、学校を途中でやめなければならないなど、子どもたちというか人としての未来が根本から変わってしまいます。
2023年のユニセフの発表によると、18歳未満で結婚した女の子は世界で推定6億4000万人で、なんとアメリカの全人口の倍近く。全米が泣いたとしても届かないのです。
2018年発表の数値からは多少減少傾向にあるものの、2030年までに児童婚をなくすという目標の達成には、まだほど遠い状況。
さらに、見落とされがちなのが男児の児童婚です。世界では1億1,500万人の男性が18歳未満で結婚しており、男の子も同様に権利侵害を経験しているという。女の子ほど注目されることは少ないけれど、性別を問わず存在するのです。
何歳から結婚できる?
婚姻可能年齢を男性18歳以上、女性16歳以上と定めている国は、日本を含めわずか13ヶ国。女性が15歳以下で結婚できる国も中南米を中心に18ヶ国(州)あります。
「州」ってことは先進国のアメリカでも例外ではありません。アメリカでは17の州で結婚の最低年齢要件が設けられていない州があります(裁判所や親の許可など一定の条件はある)。
ただ、この問題って無理やりってのがマズいのであって、特におじさんと結婚させられる少女がもう可哀想のひとことかと。なので年齢差なんかも法律で定めてはいかがでしょうかね。成人してれば好きにすればいいんですけど。
児童婚が特に多い国は?
アフリカの場合
アフリカでは推定1億2,500万人の女の子が18歳未満で結婚しており、児童婚の割合が高い国はニジェール、チャド、マリー、ギニア、中央アフリカ共和国で、いずれも60%を超えています。
この中でもニジェールは群を抜いており、76%が児童婚。つまり女の子の実に4人に3人以上が大人になる前に結婚させられているという計算になります。親ガチャならぬ国ガチャと言えるかもしれない。
この背景には、貧困などの経済的な要因と社会構造的、慣習的な要因が複雑に絡み合っています。家族を養えない家庭が、人身取引によって女の子と金品を交換、口減らしをしながら生活費を得るケースも珍しくありません。たぶん昔の日本と構造は一緒ですね。
アジアの場合
実はバングラデシュでは1929年(昭和だと4年、あの世界恐慌が始まった年)から児童婚を法律で禁じていて、婚姻最低年齢は女性18歳以上、男性21歳以上とちゃんと定められています。
にもかかわらず、同国はニジェール、中央アフリカ共和国、チャドに続き世界で4番目に18歳未満の児童婚率が高い国で、少女の65%が18歳未満で結婚しています。普通に法を犯しています。
なぜ法律があるのに変わらないのか。ある父親は「収入が少なく、家族を十分に養うことも、教育費を出すこともできない。だから娘を経済力のある男性と結婚させることにした」と語ります。つまり、古くからの慣習だけでなく貧困問題が大きく絡んでいるのでした。
実は、数として最も多いのはアフリカではなく南アジア。世界の児童婚の45%は南アジア、20%はサハラ以南のアフリカに集中しており、インドとバングラデシュだけで世界全体の3分の1を占めているんです。
なぜ児童婚は問題なのか
10代の出産が命を奪う
当然のごとく、児童婚は若年での妊娠につながります。世界中の15歳から19歳の少女の死因のうち最も多いものは、妊娠と出産による合併症。ちなみに日本では自死がトップであり、これはこれでヤバい話ですけども。
例えば、モザンビーク(アフリカ)のベアトリス・セバスティアンの例。彼女は15歳で初めて妊娠しましたが、長時間にわたる分娩の後、赤ちゃんは死産。さらに出産時の外傷から産科ろう孔(フィスチュラ)を患い、約6年後に外科手術でようやく回復しました。
これほどの苦しみが、10代の少女に降りかかっているのです。他の国なら、スイーツと一緒に写真撮ってインスタに「ウェーイ」つってあげてるような年頃です。
教育と未来が失われつつも、貧困の連鎖を断ち切れない構造
児童婚が子どもたちにもたらす弊害は、教育の断念や早期妊娠による死といった重大な健康被害、夫および義理家族による家庭内暴力など多岐にわたります。学校をやめれば職に就く選択肢は狭くなり、経済的な自立も遠のきます。
結果として、貧しいから結婚させられ、結婚したからさらに貧しくなるという負の連鎖が生まれてしまっているという現実。
なお国際NGO「プラン・インターナショナル」のような団体が、この連鎖を断ち切るために動いています。
例えばバングラデシュでは「早すぎる結婚の撲滅プロジェクト」として、地域の女の子を対象に職業訓練や起業支援コースを開設し、経済的自立を支援することで児童婚を減らす取り組みを進行中。
マラウイではプラン・インターナショナルをはじめとするNGOのキャンペーン活動が実を結び、2015年に婚姻可能な最低年齢が15歳から18歳へと引き上げられました。
課題として残るのは、文化や慣習などが複雑に絡み合う背景。法整備が進んでも国レベルで政府がちゃんと動かなければ、形になりません。そしてその人たちは金と権力の維持に毎日多忙な日々を送っているのです。


